If you expect it……
いつまでも余韻に浸るかのように、お互いの身体を重ね合ったまま、私達は離れようとしない。
離れてしまえば、今度はいつその身体と抱き合う事ができるのか……もう二度と、触れることさえ許されないかも知れない。
いつだって覚悟してきた。
ニールに抱かれるのは、これが最後になるのかも知れないと。
私の上に覆い被さる彼の逞しい身体の温もりをもっと感じたくて、抱き寄せるようにその広い背中に腕をまわす。
彼の髪に顔を埋めると、私の首筋に何度も口づけるその仕草が愛おしい。
「――られるか?」
ニールが何かを囁いたが、よく聞き取れない。
「……何?」
聞き返した私に、口づけを止めたニールが問う。
「ハロは俺の為に、全てを棄てられるか?」
私は彼の耳に唇を寄せて、静かに答えた。
「……ニールが望むなら」
耳元から小さな安堵の吐息が聞こえ、私は力強い腕に抱き締められる。
誰もいない室内。
開け放たれた窓から流れ込む風が、椅子の背凭れに掛けられたまま持ち主を失ったユニオンの制服を、いつまでも揺らし続けていた。
必ず一度は妄想する、敵味方の禁断の関係(悶)
(※今は拍手夢なしです)