Immorality (6.5)

「悪いな。ミハエルじゃない、俺だ」
『……先生? どうして、この番号』
「あいつが携帯貸してくれた」
『……ミハエルが?』
「そうだ。どうしてもお前に言っておきたいことがある。頼むから切るなよ?」
『……』
「俺はハロが好きだ。もうずっと前からな。多分、お前さんが俺の髪に触れてきた、あの時からだ」
『……』
「二年前のあの日、保健室で寝たふりしてた俺の髪をお前、撫でたよな。何でだ?」
『……』
「嫌いなはずの大人の、それも教師の俺にお前は躊躇もしないで触った。どうしてあんなことしたんだ?」
『……』
「……俺は、ハロが何考えてるのかまったく解らねえ。あんな風に触れたくせに、俺を見るその目はまるで関心なさげだ。それなのに、さっきはあんなを顔して見せるしな」
『……先生こそ、わからないよ』
「何がだ?」
『私のこと嫌いなんじゃないの? 先生こそ私を見る目が他の皆と全然違うし……わからないよ』
「確かにお前のことだけ特別な目で見てたからな。どうしても生徒として見れなくなっちまってた」
『……』
「探ろうとしてたんだよ、何とかお前さんの気持ちを。まあ、それでも全くわからなかったけどな」
『……』
「いきなりあんなことしたのは悪かった。反省してる。いい大人が、教師がすることじゃねえ」
『……』
「それでもいい加減な気持でしたわけじゃないからな。俺は本気だ。ハロを一人の女として好きになっちまった」
『……本当に?』
「嘘に聞こえるか?」
『……聞こえない』
「そうか。安心したよ」
『……本当は私も、先生のこと……』
「ああ、何だ?」
『もっと触れたかったし、今も、触れたい』
「……本当か?」
『嘘ついてるって思う?』
「思わねえよ」
『良かった、安心した……私も好きだよ? 先生が』
「俺も、ハロが好きだ」




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