*熱に浮かされて


(僕としたことがこんなときに限って…)


意識が半ば朦朧とする中で 保坂は人を待っていた。
相手は職場の先輩である近江義人。
有名な数学の教授の講義を聞きに行こうと誘ったのだった。
それにもかかわらず 朝から38℃という高熱を出すという有り様である。


「保坂先生、お早いですね…って顔赤くないですか」


待ち合わせ時間20分前。
いつものスーツ姿にいつものリュックサックを
背負った近江が駆け寄ってきて自分の顔を覗く。


「え、いえ!お気になさらないでください」

「熱でもあるんじゃないですか」


躊躇いもなく近江の手がすっと伸びて自分の額に当てる。
その瞬間 微かに彼の顔が険しくなった。


「さ、近江先生…」

「これは酷い熱だな…38℃はありますね、帰りましょう」

「だ、だめですよ。大丈夫です、行きましょう」


表情にこそ出さないが 近江がこの講義を楽しみにしていたことは知っていた。
それに今日は久々に学校以外で会うのだ。


「そんなフラついた身体で何を言ってるんです」

「ですが…!!近江先生はこの講義を…」

「講義はいつだって受けられます」


送っていきますから、と 有無を言わせない様子に
保坂は返す言葉もなかった。



***



「大丈夫ですか、簡単なレトルト買って来たので食べられるときに食べてください」

(そうか…送って貰ったんだっけ…)



あの後 熱は上がる一方で フラつく保坂は
近江に支えられ送られたのだった


「…すいません」

「いえ、ではこれで」

「あ、近江先生…」


ただ送ってくれただけということは分かっているものの
帰ってしまうとなると名残惜しい。
熱に浮かされて素直な気持ちが溢れていく。


「何です…って、ちょっ…!」

「僕…すごい楽しみにしてたんですよ…」


近江の手を引っぱり抱きしめた。
近江の表情は保坂からは見えないが、困った顔をしているのだろう。


「告白して…でも曖昧な返事で…
 やっと外で会えたと思ったらこの有様です
 …先生…数式みたいに簡単な答えをください…」


口にして後悔をした。
でも 熱が出てなければ きっと言えないままだっかもしれないと
近江の言葉を待つ。


「…好きです…だから心配して ここまで送ったんですよ…//」


その言葉を聞いた瞬間 保坂は自分を抑えられなかった。
嬉しくて 一秒でも早く自分のものにした証が欲しかった。


「近江先生…嬉しいです…ダメだ…もう 抑えられない…」

「んっ…!?//」


荒々しく近江の唇を奪い容赦なく舌を絡める。
突然の出来事に 抵抗も出来ず 近江はただ保坂を受け入れていった。


「あぁ、先生…夢みたいだ」

「っぁ…も…何で…こんな…//」

「ほら、先生のもう硬くなってますよ」


近江のズボンに手をかけ 下ろして行けば
既に下着の布を押し上げる自身が露わになる。


「見ないで…くださ…ぁ…//」

「僕の指は気持ちいいですか」


近江から滴るカウパー液と 自分の唾液と指に絡め
近江の自身から菊座へと滑らせていった。


「ひぃっ…そこ、は…っぁ//」

「ココに僕のが入るんです、しっかり解さないと…」


ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら丁寧に解す
保坂の指に近江のソコはヒクつき絡みつく。


「っぁ…ぁ…んっ…ん…//」

「もう大丈夫そうですね、イれ…ますよ」

「っ〜〜…!!//」


近江の菊座は容易く飲み込み 保坂はゆっくりと腰を動かした。


「はぁっ…先生のナカ…熱い…」

「んっん…ぁあ…//」


律動に合わせ甘い声を上げる近江の声に煽られ
動きは次第に強く早くなっていく。


「そな…奥…ふかぁ…!!//」

「…あ、もう…先生…イきますっ…!!」

「っく…あぁぁ…っ!!!//」




***



「だるぐでじにぞうでず…」

「熱なのにあんな事するからですよ!!」

「ずみばぜん…」


無理がたたって保坂の熱は現在39度5分
自業自得というべきだろう


「お粥温めました、食べてください」

「…ありがどうございまず」


「保坂先生のせいで 風邪がうつったら僕の看病お願いしますよ…///」



END


by:Zip




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