「げ、」
「え?…うわ、最悪」

向こう側から黙々と歩いて来て、手には抱えきれないほどの古臭い本を持って。
あちらも此方の敵意に気付いたのだろう、心底嫌そうに顔を歪めている姿が見える。

「何だあの顔、腹立つ」
「存在自体苛々するねー」
「マジうぜえ」

聞こえよがしにさえずる友人達に対し、そんな暴言は慣れっこな彼は、怯むことなく真っ直ぐこっちに向かってくる。
恨まれる理由はバラバラ。一人からはその幼なじみとの仲の良さ故に、一人からはその根暗で真面目過ぎる性格が故に。
何だかかなり理不尽な気がする。

「…そんなに、やな奴かな」
「はあ?」
「だって」

ちょっと、カッコイイじゃん。

全ての敵意にまるで靡かなかった彼が、思わずぽかんと開口したのは、僕からは見えなかった。



すれ違い様の秘密の言葉
(付けてるあのキーホルダー)







後日リマの靴箱に大量の板チョコが
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