「愛って、何なんだろうねぇ」
「…やばい、重症だぞ」
「自業自得じゃない?」
「…まあ少なくとも、向こうに非がないのは確かなんだけどな」

彼の指先でくるくる踊るペン先が、何だかそのまま彼の喉に突き刺さりそうで怖い。虚ろな目で弱々しく笑いながら遠くを見つめる親友を慰める術は、ない。

「あんなの見たら誰だって引くよ…」
「まあ、彼女だしな、一応…」
「一応じゃないよ!れっきとした彼女だよ!!」
「だって別の女の子とイチャイチャしてたんなら、ぶん殴りたくもなるよ」
「ついでに隣に居たあいつに泣きついて逃げ出したい気持ちになるのも分かるな」
「…」

言い返す言葉もないらしい。
まあ、そんなこんなで彼等が続いて1ヶ月。そろそろ夢も覚めるだろう。

「これからが正念場なんだから、」
「いじけてる暇なんてねーぞ?」
「…ッうるさああい!二人に僕の気持ちなんて…ッ愛とは何かも分からない二人になんて分からないよ!!」
「…愛だってさ」
「…愛だってよ」

少なくとも、大事に大事にしている愛とやらは、実はこっそりあるのだけれど。

「先生!!」

今し方教室に入ってきた教師に、彼は最後の問いかけをする。



先生、愛とはなんですか?
(諦めです、ときっぱり言われた)



マッゴかっけえ…
続くかも
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