「…何でついて来るの」
「別に」
「…気が散る」
「歩いてばっかじゃねぇか」

いつもの道筋である。学校へ行こうと頑張って、二丁目まで歩いてきて。
でもやっぱり駄目で、そのまま左折。
誰も居ない展望台に一人登って、のんびり自習したりご飯を食べたり。
なのにそこに、とんだイレギュラー。

「学校行かねーのか」
「君だって」
「俺は遅刻だ」
「さっさと行けば?」
「お前…授業中の教室に遅刻した奴が入るあの気まずさ分かるか?」
「分かんないよ」

行ってないし、という言葉と一緒にゴール。ちょっと息が荒いけど、目の前に広がる空を見てたら、ちょっと落ち着いた。

「いい所じゃん」
「…あげないからね」
「要らねえよ、お前のだろ??」
「…うん」

キーンコーン、と始業の鐘が鳴る。
隣の遅刻したっていう、名前も知らないクラスメートはまだ居座るつもりらしい。
秋ももうすぐ近くて、僕は昨日読みかけだった本を開いて、文字を追い始めた。
明日も彼は、ついて来るのだろうか。



遅刻常習犯とサボり常習犯
(キミがみとめてくれた世界は、)







病気(笑)だった一年リマ
彼にとっちゃ黒歴史
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