「シリウスってさ」
「あん?」
「あの子の事、どこまで知ってる?」

とても自慢にはならないが、僕は彼女が嘘をつく時いつもより手遊びが三割くらい多くなるのを知っている。朝大広間に来た時、大抵どこに座ろうと考えて周りを見渡すのか知っている。苛ついている時彼女は口を尖らせ眉間に皺を寄せたりするし、一人になる事が多いし、取り巻く人間も誰を選ぶのかを知っている。
勿論年齢生年月日血液型、趣味特技家族構成好きなもの嫌いなもの、過去の恋愛歴や成績友人関係地元場所も知っているし、最近興味があるものやってみたいと思う事、得意な教科苦手な教科、生まれ変わったら何になりたい将来の夢は何かまで、僕は彼女の事を少なからず知っているんだけども。

「…名前しか、知らねえよ」
「え」
「笑いたきゃ笑えよ」
「…わ、笑わないよ」
「…そか、ピーターは優しいな」

ねえシリウス、君が彼女について知っている事はもう一つあるよ。
3ヶ月前、僕が彼女を好きって言った事。



覚えちゃいねえ










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