双眸(夢と針)




「ハリーの目って綺麗だね」
「そう?」
「うん、とっても素敵な色」
「…そこまで言われると…」
「えー褒めてるよー」
「分かってるけど…恥ずかしい」
「あははハリー照れ屋さーん」
「…キミはこの目、好き?」
「うん!とっても!」
「…へ、ぇ…」
「だって私全然綺麗じゃないもの」
「…僕は好きだけどな」
「茶色なんていっぱい居るじゃない!」
「逆に目立って仕方ないよ」
「目立つ方が見つけて貰えるわ」
「…え?」
「私の目じゃ他と混ざって、
……見つけて貰えないもの」
「…」
「お願いがあるの」
「…」
「もし、ハリーが死んだらね、」
「…」
「その目を、私にちょうだい?」
「…スネイプが、好きだから?」
「先生は、その色しか好きじゃない」
「…」
「それなら…見つけて貰える」
「…」
「何てね、冗談!」
「…」
「馬鹿みたい、忘れて忘れて」
「…うん、」
「(だってその色になってしまったら、
先生がその色に染まってしまうもの)」






(生きよう)
(何が何でも)
(生きてやろう)
(じゃないと)
(彼女に染まってるのがバレてしまう)






淡い様で深くて。暗い様で明るい。静かにレンズの奥から世界を見つめるそれを、えぐり出してしまえたらと。



双眸=2つの目、両眼。
(憧れは他人のもの)



この前書き散らしたセブ教授夢。
思いの外私はこの話が好きらしい。



[ → ]
[ 目次 ]
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -