告白の断り方が優しいジャブラ/OP


「好きです!」

優しいな、と思う。これがたとえば某殺戮兵器さんなら、くだらねェと吐き捨てるだとか鼻で笑うだとか、そんな、相手の心諸共ズタズタにするような、非道な返しをするのではなかろうか。もちろんこれがただの偏見で、想いを告げてきた相手には真摯にーー普段の唯我独尊な姿からは想像もできないほど真摯に向き合い言葉を掛ける可能性は無きにしも非ずではあるが。
それにしても、である。彼は優しい。自身が散々な目にあってきたからであろうか。

「あー……気持ちは嬉しいが、受け取れねェ」

惚れっぽいわりに想いを寄せてきた相手を好くことはない。追われるより追いかけたいタイプなのだろうか?

「どうして」
「好きな奴がいるんだ」
「……なまえさん、ですか?」

びくり、と肩が震えた。何故そこで私の名前が?予期せぬ事態。まさかあの子私が盗み聞きしていることに気付いているのか、と思ったがあの子は本当にただの給仕だから仮にもCP9である私の気配を察知はできないだろうし、何より私が今いる所はあの子から死角になっている。ならば本当に偶然。意図は依然として不明のまま。

「まあ、な。……って、なんで知ってんだ」
「やっぱり。だってずっと見てたんです」

ジャブラさんがなまえさんのことしか見てないの、分かってました。
リフレインリフレイン。緊急事態発生。脳内大混乱中。盗み聞きなんてした罰か。もう二人の声は聞こえない。この場を去ったのかはたまた私の耳が、否脳が、上手く声を拾えていないだけか。

「どんな顔して会えばいいの……」

ずるずると頽れる。火照った頬が冷める気配はない。

back

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -