Lと友人/死帳


※男主



「あー……ちょっと、今回ばかりは……やばいかも……な」

ならば言葉を交わさなければならない奴がいる。血に濡れたポケットからシルバーの携帯を取り出す。良かった、壊れてはいない。震える手で、もう何百となぞった数字を辿る。コール音、一回、二回、

「……L」
『はい』
「君、言ったよね……私の為に、死んでくれますか……って」
『……冗談ですよ』
「死ねるよ」
『……』
「僕はさ……結局、最後まで……君のことを、理解できなかった。考えてることなんて、分からなかった。でも、だけど……だからこそ……君の手足になるのは……君の為に命を……賭ける、のは、悪くないと思うよ」
『……貴方は、』
「うん?」
『随分と献身的で、自己犠牲を厭わない奇特な人です』
「はは。奇特、なんて……そんな、大したもんじゃ……」
『何故そこまで』
「何故って……僕は君の、友人だから」
『……』
「君の……友人、として……」
『……なまえ?』
「さよなら、だよ……L。L Lawliet」

闇に染まった空が、とても、綺麗だった。

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