Lの目玉が欲しかっただけ2/死帳


こんなに素敵な瞳を埋め込まれた青年が、普通のひとだなんてことあるわけがない。もっと、こう……神秘的で、悪魔的で。

「貴女のことが好きです」

だから、こんなのは違う。そんな焦がれるような目で、愛しいものを見るような目で、私を見ないで。そんな眼差しを向けないで。私が欲しいのはそれじゃない。
拒絶に震える私の頬に、手が添えられる。いつかの逆転劇。
柔く笑んだ彼が、吐息の掠める距離で囁く。

「貴女が私の目しか見ていないことは知っています。眼球性愛-オキュロフィリア-、危険思想をお持ちなことも。それらを引っ括めて、私は貴女を好きになってしまいました」
「……、」
「私が死んだらお好きなだけ目玉を手に取り眺めて下さい。その代わり、」

私が死ぬまで、ずっと私と共に在って下さい。
ああ違う。この深遠の持ち主が、浄暗をその身に宿す者が、そんな、



つまり類は友を呼ぶ

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