Lと夜の中/死帳


夜の方が好きだ。夜の闇は、貴方の背負うものだとか掲げるものだとか、優秀な頭脳もそれに比べて平凡以下な私のポンコツな頭も、全てを等しく黒く染め立てて。この時間だけは、貴方を身近に感じられる。情けない自分を赦せる。
座ったままの貴方の手を無理矢理に引いてベッドの中へ。

「一緒に寝てよ」

朝が来たらまた、貴方と私の埋めようのない差が浮き彫りにされて。
永遠に来なければいい。死ぬまでこのまま、貴方と布団の中で、手を繋いだり意味もなく頬を擽ったりキスをしたり。朝なんて、来なければいい。夜が明けなければいいのに。
私は貴方ごとすっぽり布団を被った。


song:泣けど喚けど朝がきて(4mai5P)

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