(燐しえ)
会話文
801
「しえみ!」
「あ、燐。おはよう」
「おう、おはよ。あのさ、俺、昨日すげぇ幸せな夢みたんだ!」
「幸せな夢‥?」
「そ。今からヒント出すから、何の夢か当ててみてくんねぇ?」
「うんいいよ!どんなの?」
「あのな、まず最初に俺が白いタキシード着てて、親父が前に居るんだ」
「燐のお父さんが?わぁ!素敵だね」
「おー。親父は神父だからな。んで待ってる相手はしえみなんだけど‥」
「えっ私?私も出て来るの?」
「うん。しえみはお姫様が着るような白いドレス着て、赤いカーペットの上をゆっくり歩いて俺の元へ近付いて来るわけ」
「ふ、ふんふん‥」
「しえみの隣には、何故か雪男がいて、」
「えっ、雪ちゃんが?」
「そー。んで、しえみは雪男の腕に掴まりながら歩いて来んだけど、見たら雪男のやつ号泣してるんだよなぁー」
「雪ちゃんが!?お腹でも痛いのかなぁ…?」
「いや、そーいうのじゃねぇと思う…多分。‥ていうか確実に精神的なショックが原因だな」
「せ、精神的なショック…」
「まぁ、アイツはモテるし引く手あまただから心配いらねーだろ」
「…」
「そんな感じで、しえみは俺の前で雪男から離れて俺の腕に掴まるんだけど…って、ここまで話したら流石に何の話かわからねぇか?」
「え?ん、んー…何だろ、んー…んー…」
「…(ドキドキ)」
「…り、燐‥」
「!お、おう」
「泣いてる雪ちゃんと出てきたってことは…わ、私が雪ちゃんに精神的なショックを与えて泣かせたのかなぁ…?」
「‥え!?」
「あと…『どれす』と『たきしいど』って何だろう??」
「!!?」
5分間の迷走
(それともやっぱりお腹が痛いから泣いてるのかなぁ?)
(あれ?燐、どうして泣いてるの??)