「あの転校生クン、ついにSクラスの西脇クンとも接触しちゃったみたいでさ、親衛隊が怒り狂って大変なんだよ。西脇クンとは親友だとか何だか言って、親衛隊をさらに怒らせたとか…」
「ほーう…。…西脇…?」
「2‐Sの西脇圭也。美人サンでみんなからは『撫子』って呼ばれてる人」
…ああ、なんか聞いたことある。
そう言うと呆れ顔の慎司。いくらお前でも、『撫子』くらいは知っとけだと。うるへー。
「親衛隊とか元々怒らせてんじゃん。今さら?」
「西脇の親衛隊は穏健派だったから、異例なんだ。なんでも西脇は転校生クンがあまり好きじゃないとか」
そりゃああんな転校生、俺も嫌よ。
何だか西脇って奴に同情。
「西脇はあまり表に出て来ないし、まあ遊真も表には出ないから接点ないかもな」
現に俺は食堂には行かん。なるほど、納得!
「…まあ、俺に害がないならいーよ別に…」
「遊真〜、お前学園トップクラスの美形に向かってそりゃねぇだろ」
学園トップクラスの美形って、それこそまさに俺には無関係だろ。