NARUTO・サソリ夢 | ナノ

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イタチ、飛段と別れて帰路につく。


いや、というより送ってもらった。
2人共わざわざ遠回りして家までついて来てくれた。

まァ外は既に暗く時間も時間だ。
1人の女子高生を歩かせるには危ないと判断して、彼らからしてみれば当然の行動だったのだろう。


…でもそれにしたって



「さらりとやるとこがかっこいいよなァ…。」


遠ざかる2人を見送りながらポツリと呟く。飛段がアイス1つで機嫌を直す単純な奴で良かった。
ちなみにイタチには団子を奢った。

2人が見えなくなったのを確認して門に手をかける。

1階の窓からは光が零れていた。






「……………。」





そうだ。

帰ってきたら待ってる人がいるんだ。

飛段にさっき笑いながら言われたな。

イタチにも話したら微笑まれた。

…なんかくすぐったいな。




にやけそうになる顔をぺしぺしと叩いて玄関のドアに手をかけた。



「ただい、」



帰ってきたときに言うセリフを言おうとした瞬間だった。











「うるっせェなクソババァ!!」
「なにを!!口先だけの青二才が!!」







出迎えたのは温かい一言ではなく、幼馴染みとその祖母の口喧嘩だった。



















「いや〜すまんのう、ゆめよ。」

「来るなら来るって電話ぐらい入れてよチヨバア、携帯番号教えたじゃん。」

「忘れとったわ。」

「……………はァ…。」


ギャハギャハと笑うチヨバア。
相変わらず元気だ。


「帰ってきたらサソリとチヨバアの死闘が始まっててびっくりした。」

「こやつが勝手にワシの標本を持ち出しおっての。」

「あ、あの内蔵のやつ?」


初めて見たとき悲鳴をあげたのを思い出す。あのハイクオリティなやつか。


「そうじゃ、全く手当たり次第持って行きおって…。」

「少しくらいいいじゃねェか、ケチくせェ老いぼれだ。」

「ふん、お前のようなガキにあれをやってたまるものか。」

「やんのかババァ!!」

「望むところじゃ!!」




「やめい!家を壊す気かバカ野郎!!」










なんとか鎮めて普通の会話に戻る。
短気過ぎるこの2人…。


時刻は8時。

とりあえず台所に向かってエプロンを着ける。


「チヨバア、明日入学式だから泊まるんでしょ?夕飯もう食べた?」

「いやまだじゃ。うむ、ゆめの手料理か、久振りじゃのう。」

「結構上達したよー。」


笑いながら台所の電気をつける。

なにを作ろうか。
チヨバアは煮物が好きなんだっけ。
けど時間かかるからなー。


「今日はオムライスでいい?」


卵もあるし野菜もあるし…ケチャップもあったかな。

ホントはもう少し凝った料理にしようかと思ったがあまり時間をかけて待たせてしまうのも悪いだろう。


「ゆめが作るものはなんでも美味いからなんでも良いぞ。」

「チヨバア後で肩揉んであげる。」


さらりと褒めてくれるそんなチヨバアが大好きだよ!




「サソリもオムライスでいい?」

「…卵半熟な。」

「はいはい分かってるって。」



ムスッとした顔。
標本取り上げられることまだ拗ねてるのか。
子供だなァもう。


「後はサラダと…あ、デミグラスソースがいい?それとも普通のケチャップ?」

「デミグラス。」

「チヨバアは?」

「どちらでも良いぞ。」

「じゃあデミグラスでいい?」

「もちろんじゃ。」




よし、張り切って作ろう。

裾を捲り上げ調理に取りかかった。




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