NARUTO短編集 | ナノ





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※現パロ






ザワザワと休憩時間特有のざわめきが教室内を埋め尽くす。


そんな教室に1人の女子が飛び込んできた。





「サッソリ先輩ー!今日もかっこいいですね!」

「失せろ。」

「相変わらずの毒舌!あ、デイダラ先輩もおはようございます!」

「…お前もよく飽きねェよな、うん。」

「だーって私、サソリ先輩のこと愛してまげふっ!!」


抱きつこうとしたナマエの腹にサソリの右ストレートが気持ちいいぐらいきれいにはいった。


「気色悪ィんだよてめェは…うぜェ。」

「…旦那、仮にもナマエは女子で後輩だぞ、うん。」

「知るか。それに、こんなもんでくたばったりしねェよこいつは。」


サソリの冷た過ぎる発言に冷や汗をかきながら、ナマエの心配をする。

かなり強くはいったのでダメージは相当なはずだ。


「おーいナマエ、平気か?」

「……す、」

「…うん?」









「女子にも手加減なしの右ストレート…やっぱり先輩は素敵ですっ…!」






目をキラキラさせながら言うナマエ。


デイダラは苦笑しながら若干引いた。


「だから言ったろ…そいつの心配なんざするだけ無駄だ。」

「さすが先輩!私のことをよく分かっていらっしゃる!」

「できることならてめェの存在自体、記憶から抹消してやりたいがな。」

「私の脳内は先輩のことでいっぱいですよ!」

「聞いてねェしそんなんだからてめェは頭が使いもんにならねェんだよ。」


幸せオーラ全開のナマエとは反対にサソリは不機嫌オーラ全開だ。
悪友ともいえるデイダラですら少しだけ億しているというのに、ナマエは全くと言っていい程動じていない。


サソリから聞いた話だと中学から知り合いでなんか知らんが懐かれたらしい。
学年は1つ下で、高校もサソリを追っかけて来たのだとか。


この話をしていたときのサソリの顔がげっそりしているように見えたのは気のせいではなかったと思う。


「サソリ先輩!今日も一緒に帰りましょうね!」

「どうせ勝手についてくるんだろ。」

「もちろんです!サソリ先輩の為ならたとえ火の中水の中どこへだってついて行きますよ、私は!」

「プールに落ちて溺死しろ。」

「ちょっ、待てって旦那!それはマジで怖いって、うん!!」


恐ろしい発言に顔を青くするデイダラ。

そこでタイミング良く予鈴のチャイムが鳴った。


「ではまたお昼に来ますんで!」

「来んなブス。」

「旦那、ブスはダメだろ…。」

「うるせェいいんだよ。」

「先輩そこはブスじゃなくてせめて変態とかにして下さい、それなら納得できますから。」

「ほらな。」

「……………。」


真顔で言うこの後輩の将来が本気で心配になった。

しかしナマエはデイダラのそんな心情には気づかず、サソリ達のクラスを後にした。



「はァ…朝っぱらから疲れた……。」

「…まァナマエと旦那のやりとり、見てると退屈しねーからオイラはいいけどな。」

「デイダラ、てめェ殺されてェのか。」

「おかしいだろ、うん!短気すぎなんだよ旦那は!!」


降参の意を示すために両手を挙げたデイダラを見て、サソリは滲み出ていた殺気をしまった。



昼になったらまたあのうるさい後輩が来るのだろう。






…先に屋上行って食ってるか。




教師の連絡事項もロクに聞かず、サソリは外の景色を眺めながらそんなことを考えていた。





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