1/2 ※学パロ・生徒と教師 桜がヒラヒラと舞い降りる。 道は桜の花びらで埋め尽くされていた。 今日は卒業式。 いつもより人の声が大きく聞こえる。 あちらこちらで別れを惜しんで泣いている人、写真を撮って笑顔の人、告白されたのか顔を赤くしてる人までいた。青春だね。 あ、サソリとネジとイタチのイケメン3人組ボタンが全部ない上に手紙と花束がすごいことになってる。 あの3人、人気高かったからな。 なんで仲良かったんだろ私。不思議。 けど、あの3人も卒業か。 「そう言う私も卒業生なんだけどね…。」 卒業証書が入ってるであろう筒で肩をポンポンと叩く。 私は帰宅部で、ぶっちゃけ社交的な性格ではなかったため親しい後輩がいなければ一緒に写真を撮ろうと思う友もいない。 暫くその人ごみを眺めた後、私はそこから立ち去った。 校庭、図書室、保健室、… あ、屋上にもよく行ったなァ。サボるために。 保健室の綱手姫は怖かったな…でも美人で優しかったし。 屋上でサソリと知り合ったんだっけ…懐かしいな。 イタチとネジは図書室だったかな。 ガラリ、と教室の扉を開ける。 「………。」 当たり前だけど誰もいない。 それが少しだけ寂しかった。 明日から私はここには来ない。 今度はここじゃない違うところに行くんだ。 私は自分が座っていた席を撫でた。 「今までありがと、私の席。」 お疲れ様、次この席の子によろしくね。 机と椅子にそう言った。 「次は誰が座るのかな…。」 サソリの後輩のデイダラかな。 いや、ネジの従兄弟のヒナタかな。 それともイタチの弟のサスケかな。 もう私には関係ないけどちょっとドキドキする。 「(……暇だから最後にちょっとだけ、ちょっとだけ。)」 そう呟いて椅子をひく。 座ってポケットからミュージックプレーヤーを取りだした。 イヤホンを耳にあて再生ボタンを押す。 音楽が流れ出す。 それがとても心地いい。 「………………もう、卒業か。」 私はうつ伏せになり、1人で呟いた。 [*前] [次#] |