1/2 ※学パロ・生徒と教師 「せんせぇ〜ここ分かんなーい!」 「あたしもー!」 「ねぇ、せんせ!」 昼休みなのにもかかわらず、教師に分からない箇所を聞きに行ってる随分と勉強熱心な女生徒が教卓に集中している。 …いや下心見え見えだし。 「もう昼だ、後にしろ。」 「えぇ〜サソリ先生待ってよぉ〜!」 「ねー先生!お昼一緒に食べようよ!」 「離れろ鬱陶しい。」 「サソリの旦那も毎度毎度大変だな、うん。」 「もう見慣れた光景だけどねー。」 昼飯のパンを頬張りながら傍観者視点で呟く。 ご愁傷様です、先生。恨むんならイケメンに生まれてしまった自分を恨むんだな。 「旦那イケメンだからなー、仕方ねェよな。」 「…そう?よく分かんない。」 「イケメンだろ、うん。ファンクラブだってあるんだぞ?」 「私的にはデイダラの方がかっこいいと思うけど。」 「…ナマエ、なんかイラついてんのか?」 「イラついてなんかないよ。」 そう、イラついてなんかない。 ただ、鼓動がおかしいだけ。 理由は分からないけど。 「…あ、ナマエ口ンとこついてるぞ。」 ボーッとしてるとデイダラがそう言った。 「んえ?どこ?」 「あー待て待て、オイラが取ってやるから。じっとしてろ。」 「ん。」 頼りになる幼馴染だ。 デイダラの手が伸びてきたので私も顔を若干前に出す。 デイダラの手が私の口元に触れたと同時に背後から声がした。 「…相変わらず仲が良いな、お前らは。」 いつの間にかいたのかサソリ先生が半ば呆れた様子で言い放った。 「まァ幼馴染ですからねー小さい頃から一緒だとこんな感じですよ。」 「ガキの頃の方が可愛げがあったけどな…うん。」 「よーし、歯喰いしばれ。」 「ちょ、タンマタンマ!オイラが悪かったから顔面狙うな!」 問答無用、とデイダラの顔面に右ストレートをお見舞いしようとしたけど先生にそれを制された。 「お前な…仮にも女子なんだからそうゆうのは控えとけ。」 「おお!旦那もっと言ってくれよ、うん!」 「やるんなら人目がないとこでやれ。」 「あんた最低だな!」 「了解っす。」 「すんな!」 デイダラのツッコミは今日もキレがいい。 いつかは立派な芸人になるだろう、あのトビとかいう後輩と共に。 そういえば、サソリ先生なんでこちらに。 「サソリ先生、どうかしたんですか。」 「あぁ…お前、物理のノート出てねぇぞ。」 「え?…あ。」 いっけね忘れてた。 そういえば先週熱出して休んだから出しそびれてたんだった。 確か今日までって言われたんだよね、危ない。 「放課後直接俺に出しに来い、化学準備室にいる。」 「えぇ…部活あんのに。」 「…終わったらでいい。」 「わーい先生やっさしー!」 来週試合なのに遅刻とかしたらどんなことされるか分かったもんじゃない。いや、あの鬼顧問のことだから大体察しはつくけど。 「先生、ありがとう。」 先生の優しさに満面の笑みを浮かべる。 そしたら先生はふっ、笑って優しく呟いた。 「あァ、部活頑張れよ。」 鼓動が速くなった気がした。 「…しっつれいしまーす…。」 カラカラと音を立てて中へと入る。 化学準備室って変な匂いすっから苦手なんだよね。 中学の頃とかデイダラが変な色の液体作って匂い嗅がせてきたし。やり返したけど。 今となってはいい思い出…って訳でもないな、腹立ってきた。 それより先生どころか人っ子1人いない。 「いるって嘘じゃん…。」 ………ちょっと急いで来たのに。 いや、実はかなり急いで来た。 部活終わって速攻で着替えて鬼顧問の怒号も今日はスルーしてきた。 なのにいないとかなに考えてんのあの先生。 私の労力を返せバカ。 ごめん先生にバカは言い過ぎた。 そんなどうでもいいことを頭の中で行いながら適当に椅子を引き寄せ机に突っ伏した。 「………はァーあ…。」 …疲れた。 最近ランメニューが増えたからな。 バスケ部なんだからバスケしようってんだあの鬼顧問めが。 おかげで足パンパンだっての。来週試合だってのに。分かれ。ハゲろ。ごめん嘘。 けど実際練習は辛い。 先輩からの当たりも強いし。ネチネチ陰でやるくらいなら堂々とやればいいのに。ホントあーゆーのめんどくさい。てか悔しかったら実力で奪い返してみせろって話だし。いちいち付き合ってらんないんだよバカ。 …………………はァ。 「癒しが欲しい…。」 「なら俺が癒してやろうか。」 「うぉおう!!」 びっくりした!びっくりした!! いつの間に後ろいたの先生!音しなかったよ!なんで!気づかなかった! この人絶対前世は忍者だ!つかなんで耳元で囁くんだバカ!アホ! 「くく…どうした、顔が赤いぞ。」 「…べ、別に。」 笑う先生にむかついたからぷい、とそっぽを向く。 ああ、ガキくさい。子供か。子供だ。 [*前] [次#] |