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※ボカロパロ
※国民が暴徒になるところから










もうすぐこの国は終わる。



国民の怒りもそろそろ限界だ。





この城も、時期に堕ちる。





「(皆身勝手だな、王子を残してさっさと逃亡とは…。)」





コツコツ、と足音を立てて長く誰1人いない廊下を歩く。

思えばここでの生活は長いようで短いものだった。

大人達の勝手な都合で私とあの子は離れ離れにされてしまったけれど、再会出来た時の喜びは一生忘れない。



癖っ毛の黒髪。

柔らかい頬。

愛らしいそばかす。

愛おしい笑顔。



たった1人の、可愛い弟。

あの子だけは私が護る。








部屋に入ると彼は窓から外を眺めていた。

外は既に暴徒達に囲まれている。
やがてはこの部屋にも侵入して来ることだろう。





「エース様。」





その後ろ姿に声をかける。


彼はゆっくりと振り向いた。






「……ナマエ。」


「何やら国民達が騒いでおられますね、何かあったのでしょうか。」





彼の目に怒り狂った国民達を映させまいとカーテンを引く。

この部屋に来るまでまだ時間はある。


「お前…何だよ、それ…!」

「どうなされました?」

「何で…何してんだよ!!」


彼は絶望したような表情。

それは私の姿を見たからだろう。


「何で…!!










何でオレの服なんか着てんだよ!!」





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