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どうも皆さんこんにちは。ミョウジナマエ、高校1年生。
ま、どこにでもいる普通の女子高生。

今年の春に入学した"海原高校"に通ってもう1ヶ月…だいぶ学校にも慣れた。
クラスの皆とも仲良くやっているし、勉強にも特に問題はなし。結構充実した毎日を送れている。





…あの人達さえいなければ。




「おいナマエ、金貸せ。」

「え、嫌ですよ。後輩にたからないで下さい。」

「あ゙ァ?」

「すみませんこれで勘弁して下さい!」



睨みつけてくる厳つい男の目の前に1000円札を差し出す。
これっぽっちか?とでも言いたげに眉間にしわを寄せているが、これ以上は真面目に無理だしこの前は3000円も持っていったくせになんなんだ。一体なにに使うつもりなんだ。


「てめェ、たった1000円とかふざけてんのか?」

「私の財布事情も分かって下さいよ!てゆうかユースタ…じゃなくてキッド先輩、この前3000円も持っていったじゃないですか!」


半泣きになりながらも必死で反論する。

彼の名はユースタス・キッド。
この学校で、いや、もしかするとここら辺で彼の名を知らぬ者はいない。ここら辺の範囲は3つ隣の町まで。ついたあだ名はユースタス・"キャプテン"キッドだ。
それ程に彼は有名だ、なにがって不良で。喧嘩で彼が負けた話は聞いたことがない。そして見た目も赤い髪、鋭い目つき、スポーツマン顔負けの体格とくれば目をつけられやすい訳で。


「てめェのことなんか知るか、1000円でゲーセンに行けるかよ。」

「わ、私の貴重なお小遣いをゲーセンなんぞに使ってたんですか!?」

「文句あっか。」

「大アリですよってごめんなさいごめんなさいなんでもありませんよちくしょう!!」


睨まれたので即座に謝罪。
怖えええええ!!


「チッ…まァねェなら仕方ねェ。」

「あ、そうだユースタスせんぱ、」

「おい。」

「おっとと…キッド先輩、先輩宛てに手紙です。」


呼び直して手紙を差し出す。

何故か名前じゃないと機嫌悪くなるんだよね、この人。ちゃっかり私のことも名前呼びだし。てゆうか私に関わってる質の悪い先輩方皆そんな感じだ。

先輩は手紙を受け取るなりあろうことか、




「…ちょ、ちょちょせせせ先輩!!?なにしてんですか!!」


「るせェ。」



ビリビリと破いて廊下にばら撒いた。

な、なにしてんだこの人!?
なんてことを!!



「お、乙女の気持ちを…。」

「ふざけんな、この女この前オレの体操着を持っていきやがったんだぞ。」





「…え、」


「それだけじゃねェ、ジャージやタオルも盗ったところを見た。重度の変態なんだよこいつは。」



思わず同情の眼差しを送る。
この人もこの人で苦労してんだなァ…。
そりゃモテモテだもんな…。
男らしいし、なんやかんやで面倒見がいいし実際お世話になってる訳だし…。


「な、なんかお疲れ様で、」
「なにユースタス屋とイチャついてんだ?」
「うわあああああ!!?」


ぬっ、と現れたかと思ったら後ろから首に腕をまわされた。

こ、このエグいタトゥーだらけの腕は…、



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