「織田っ!!」
「あ?」
「群馬の高校受けたって本当なん!?」
卒業式当日。
私はその事実を本人からではなく風のうわさで聞いた。
「あぁ。そうやけど。」
「なんで言ってくれなかったんよ!!」
「逆になんでお前に言わなあかんねん。」
なんでって、
その言葉を聞いてじわじわと涙がたまっていく。
「うわっ、ウソ、ウソだって。せやから泣くなって。ちょっとからかいたくなっただけだから。」
ウソって、そんなこと言ったって一回出たもんはそう簡単に引っ込まないわ!!
「泣くなって、な?」
なんて言いながら織田は私の涙を指ですくう。
「泣いて、な、い。」
「そうゆうんは、涙止めてから言えよ。」
私の頭を優しくなでながら織田は言った。
「なん、で織田は群馬のこと教えてくれんかったんよ。ずっと一緒におったのに。」
織田と私は幼稚園からの幼馴染で、仲が良かった。
一緒に登下校したり、お弁当食べたり。
織田に彼女ができても二人で遊んだりした。
まぁ、そのせいで織田はフラれたりもしたんだけど。
こんだけ仲が良くてなんで教えてくれないん?
そう思ったらまたジワリと涙がにじむ。
「なんでって、言ったらお前泣くやん。」
「うっ。」
「あとな、」
織田はまた私の涙をすくって続ける。
「お前とお別れしたくなかったんや。」
「は?」
私は織田の思いもよらぬ返答に素っ頓狂な声を出した。
何言ってんだこいつ。
「どゆこと?」
「オレが群馬に行くってお前に言ったら、ばいばい、さよなら、元気でね、っていわなあかんだろ?」
コクンと私はうなずいた。
「それがイヤやったんや。」
「なんで。」
「最後みたいになるやん。もう会えないみたいな。」
それがイヤやったんや。
ボソッと織田はつぶやく。
なんか、なんだこれ。
「そんな理由で言ってくれなかったの!?」
たいしたことない理由にビックリだわ!!
「そんなこと言ったって年末年始には帰ってくるんでしょう?そん時会えるじゃない!!」
「せやけど、お前に対してその言葉言うのがイヤやったんや!!」
「はぁ!?」
「お前のことが好きやからお別れみたいな言葉を言いたくなかったんや!!」
は?
好き?
織田が、私を?
………。
「はぁぁぁああああ!?そんなの初耳なんですけど!!」
「初めて言ったんやからしゃぁーないやろ!!」
「だってあんた結構彼女作ってたやん!!てか、3週間前までおったやん!!なんですぐに私にスイッチ切り替えられんねん!!」
「スイッチってなんやねん!!最初からオレの本命はお前や!!」
「じゃあ、彼女作んなや!!」
「だってお前、好きなやつおるゆうてたし、他の奴と付き合えばお前に対する好きってゆー感情が消えると思って。」
「なんじゃそら!!その好きなやつがじぶんかもしれないってゆう考えはないんか!!」
「は?」
「私の好きな奴は織田や!!」





チューリップ愛の宣告





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名前変換なしでスイマセン<(_ _)>
関西弁って難しいね^^;


回遊魚

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