「たーじまー!!!」
私は前方に見えた愛しい片思いの相手に名前を呼んだ。
すると彼はくるっと振り返ってにかっと笑い、
「おー!どーしたー?」
と返してきた。
現在放課後。
私たち以外は誰もいない。
これは絶好のチャンス。
私と田島の距離およそ6m。
だから私は思いっきり空気を吸い込んだ。





「大好きーー!!!誰よりも、何よりも大好き―――!!!」





田島は持っていたカバンを足元に落とした。
遠目からでも真っ赤なのが分かる。
「そ、それ!!ほんとーか!?」
「うん!!」
私がそう返事した瞬間、田島は私に向かって走ってきた。
そして、その勢いを殺さないまま私に抱きついてきた。
私はバランスを崩して田島もろともしりもちをついた。
「うわっ!!」
ぎゅうううううっと力いっぱい抱きしめられる。
「冴木!!」
「はい。」
「好きだ!!好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ!!!!」
そう言ってさらに力を強める。
「た、田島、痛いって。」
ポンポンと背中をたたきながら訴えるが聞き入れてもらえない。
うーん。
と、悩みながら真横にある田島の顔を見る。
あ、
「田島、耳真っ赤。」
「あ―――――!!見んな見んな!!」
「え?」
「オレ、自分から好きとか言うのはヘーキなんだけど、先に人に言われると真っ赤になっちまうんだよ!!」
へー、初耳。
「かぁーわいいー。」
「笑うなってぇー!!」
田島は私を開放し、正面から私の目を覗き込んでくる。
「冴木。好き。大好き。」
「私も。大好き。」
「なぁ、キスしてもいいか?」
「もちろん。」
私はニッと笑ってから瞳を閉じた。
それから5秒後、自信無さげなキスが私に熱を伝えた。
そして、互いに唇を離し、額をくっつけ笑った。











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がっつかない田島も可愛い!!
と思って書いたもの^^


回遊魚


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