放課後、私が野球部のマネージャー業をこなしていると、
「壱さん!!」
後ろから声を掛けられて振り向いた瞬間だきしめられた。
「うっわぁ!!どうしたの利央!!」
「聞いてくださいよぉ!!」
そう言う利央の目には涙がたまっていた。
「慎吾さんが、慎吾さんが……」
「慎吾さんが?」
「お、俺の鞄の中に、セミの抜け殻を……」
「入れたと。」
私が続けると首が取れるんじゃぁないかってほどうなずいた。
まったく。
慎吾さんはたまにいたずらが過ぎる。
でも、
「利央、男なんだから虫くらい平気でしょう!?」
「平気だったら来てないですよぉ!!」
今にも泣きだしそう。
「あーはいはい。そうですね。」
そう言って私は利央の背中をさする。
「あとで和さんに言って慎吾さんこらしめてもらおうね。」
こくんと利央はうなずいて私を抱きしめる腕に力を入れた。
かわいいなぁ。
なんて言うときっと利央は怒るだろうなぁ。
大きなチワワみたいというか、なんというか。
体格の割に泣き虫だし、笑顔でこっちに駆けてくるときとか、こうやって私に抱きついてるときとか。
可愛くって仕方がない。
私が利央の背中に手を回しぎゅっとするとビクッと利央は体を震わせた。
「壱さん?」
「んー?」
「何でもないです。」
そう言って利央はまた力を強めた。
私、利央のこと好きだなぁ。
「え!?」
体をバッと離された。
見上げた利央の顔は真っ赤っかだ。
「あれ?声に出てた?」




可愛い君





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何がしたいんだか……
しかも中途半端だし^^;
なんかもう、すいませんでた(笑)


回遊魚


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