1回戦、西浦高校に敗れてから準太は部活をサボるようになった。





放課後。
私は屋上にて一人でボーっとしてます。
耳にイヤホンをはめて、スピッツを聞きながらひたすらにボーっと。
いやね、私ホントは放課後暇じゃないんですよ。
本来ならば野球部のマネジ業で忙しいんですよ。
だけど準太が部活来なくなっちゃったから監督に
『準太が復活するまでお前は準太の面倒みてろ!!』
って言われちゃったからさぁ……
授業が終わってから準太と帰ろうと思って準太のクラスに行ったら準太いないしさぁ…
家に帰っても暇だしやることなくなっちゃったから現在に至るわけです。
ヴーヴーヴー
あ、和さんからだ。
んー……何とも言えない内容だな。
カチカチカチ
メールの文章を下にスクロールしていく。
すると気になる文章が。
「ん?」
『今から、準太、屋上に行くから。』
「は?どうゆうこと?」
頭に疑問符をたくさん浮かべていたら、
ガチャリ
と屋上の重たい鉄の扉が開いた。
「あ、準太。」
私は携帯をパタンと閉じ、イヤホンを耳からはずした。
「よぉ。」
「どうしたの?」
「慎吾さんがさ、壱が屋上にいるから行けって。」
「ふぅん。」
なるほど。
和さんと慎吾さんはグルか。
準太は私の隣に座った。
「ねぇ、準太。」
「ん?」
「まだ、部活行く気になれない?」
「んーまぁ、な」
「そっか。」
じゃあ私も当分マネジ業をできないのか。
つまらん。
「この前の試合さ、俺のせいで負けたようなもんじゃんか。その俺なんかがさ野球やる資格あんのかよって。」
「あんたバカだねぇ。」
「は?」
「ピッチャーが打たれた時のために後ろがついてんでしょ。」
「……。」
「準太一人で野球やってんじゃないんだよ。」
「そうだけどさ。」
「俺のせい俺のせいってあんた何様なのよ。一生懸命やった先輩たちに失礼じゃない?」
「……。」
準太は黙りこくってしまった。





「私、野球やってる準太が好きなんだけど。」





「え……!?壱!?」
準太が目を見開いてこっちを見る。
「だからさ、練習でようよ。」
なんて言ったら準太は勢いよく立ちあがって、
「明日からでる予定だから!!」
そう言いながら出口に向かい歩いて行ってしまった。
んー。
心なしか耳が赤かったのは気のせいかな。
私は和さんに返信すべく携帯を開く。





『準太に”野球してる準太が好き”って言ってみろ。きっとうまくいくから。』





この文きっと山さんか慎吾さんが打ったんだろうなぁ。
和さんは命令口調でメール打たないもん。
でもさ、なんかこれ
告白みたいじゃない?
気のせい?
まぁいっか。
嘘じゃないし。
野球してる準太が大好きだし。
なるようになるでしょう。
「明日からやっとマネジ業復活だぁー。」
私は両の拳を天に突き上げ伸びをしてからカチカチと返信を打つ。





作戦成功




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準太夢。
これ準太かなぁ?


回遊魚


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