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「ねぇなまえ。膝枕してよ。」

あくびをしながらそう言う凛月くんにため息が出そうになる。突然クラスに来たもんだからどうしたんだろうと思ったらこれだ。転校してきた当初はそれなりに冷たくされてちょっと悲しかったのが懐かしい。今じゃベタベタに甘えてくるようになった。

「お昼休みに寝たら凛月くん起きないから嫌だ。」
「じゃあ寝ないから血、ちょーだい。」

そして困ったことに、一度指を切った時に凛月くんが血を舐めたのだが、それがお気に召したらしく、こうやって血をねだってくるようになった。実際に血は吸われたことはないが、痛いのは嫌だといつも私が嫌がるのを知っていて、そう言ってくる凛月くんは、どうやら相当膝枕を所望しているらしい。お昼休みに膝枕をすると大体彼は眠り込むので、私はいつも次の授業がギリギリになるか、遅れてしまうので、毎回先生に怒られるはめになる。一度椚先生の授業を遅刻してしまった時はひどく叱られた。あまりにも話が長すぎて震えたのを覚えている。

「……膝枕してあげるから血は吸わないでね。」
「やったー、なまえありがとう。なるべく起きるように努力するからさ〜。」
「本当に頼むよ。次の時間椚先生の授業だからね。」
「ええ〜あいつの日だったらなまえと長く居られないから嫌い〜。」

鬱陶しそうな顔をしながら、私の手を取る。彼はいつも昼休みになると私を迎えに教室に来て、必ず中庭へ向かう。一度何故中庭なのか、と問うた時、誰も居なくて静かだからと答えられた。いつも手を繋いで中庭へ向かうので、最初はちょっと恥ずかしかったけどもう慣れてしまった。凛月くんは私からするとまるで弟のようなのだ。

「静かで誰も居ないところでなまえと一緒にいれる、この時が一番好き〜……。」

中庭に着いたすぐ、凛月くんがそう言って私に抱きつき、眠りについた。あまりにも行動が早すぎて驚くことも出来ない。毎回思うが、寝るのが早すぎる。どうか昼休みが終わる前に起きますように。
今日は膝枕って言ってたのになぁと凛月くんの腕の中に包まれながらぼやいた。