※俺のモノ(柳)
※境さんから頂いた柳くん連載の24話つづき
※R18
やっと手に入れたものを今更手放す気なんて馬鹿な真似はしない。
そんな気はさらさらない。もっと証をつけてやりたい、俺のものだという証を。
「ふっ・・・」
「我慢しなくてもいい」
浮き上がる肩甲骨に口付けを落としながら、きつく噛まれているひなの唇に手を伸ばす。
薄い皮膚を撫でてやれば、徐々に力が抜けて俺の指に熱い吐息がかかった。
そのまま人差し指と中指を口内に差し入れる。びくりと震えて引っ込んだ舌を逃がさないよう捕まえて、その柔らかな肉を指先で擦る。
「ん、う・・・」
「これでもう、声は殺せないな」
さらさらとした髪を鼻先で掻きわけ真っ白なうなじを強く吸えば、ひなの閉じる事の出来ない口からはか細い嬌声が洩れた。
腕を前に回し、俺の手ですっぽりと覆える乳房の感触を楽しむ。
指を食いこませるたびにため息の様な熱い空気が舌を弄ぶ俺の指に絡まって、もっとひなを感じたいと身体の奥が熱くなった。
しこりのように固く主張しているそこをそっと撫でると、俺の下でひなの腰がびくんと跳ねた。
「んんっ・・・」
「可愛いな・・・もっとしてやろうか」
熱い耳たぶに口付けながら羞恥と快感に眉を寄せたひなに囁く。
嫌だと言われても、今更やめるつもりもない癖に。
熱病に冒されたように上ずった俺の声に、ひなは緩く首を回し俺を見た。
俺の指をくわえて閉じる事のできない唇から、つぅ、と唾液が顎を伝う。
普段は色っぽさよりも清廉さの勝るその瞳が、目尻を赤く染めて涙を溜めこむ様子はあまりにも淫靡だ。
二本の指に舌の動きを封じられたひなは、文字通り舌ったらずに俺の名を呼ぶ。
「れんひくん・・・」
「嫌か?」
わざとらしいなと心の中で自分にため息をつく。許した態度を取りながら、俺はひなを心の奥底では罰したいのだ。
もっと俺を見ていてくれ、俺だけを求めてくれ、お前の目には俺しか映らなくていいと、子供じみた独占欲で俺の顔は今歪んでいるだろう。
それはとても、楽しげに。
ゆっくりと口から指を抜いてひなの答えを意地わるく待つ。あ、と名残惜しげな声に喉がごくりと鳴る。
「・・・して・・・」
「ひな」
「してほしいの・・・蓮二くんのすきに」
おねがい、ふるりと羞恥に揺れて閉じられた瞳に、愛おしさがこみあげる。
「本当に好きにしていいんだな?」
お預けされた犬のように、俺はひなの目尻を舌先でなぞりあげた。
声もあげずにこくりと頷いたひなに、俺の理性は音をたてて、崩壊していく。
「やめろと言われても、やめないからな・・・!」
「あ、あ、ゃっ・・ああっ」
「はっ・・ひな・・・!」
柔らかな身体を限界まで折り畳み、俺はひなの奥まで自身を打ち付ける。
汗ばんだ乳房に舌を這わせ、その頂を強く吸い上げればひなはひときわ高い声をあげて俺を締め上げた。
俺が腰を打ち付けるたび俺の背に回された指先に力がこもる。
「んっ!あっ、ああ・・・れ、れんじく、」
「ひな、すきだ、好きだ・・・」
頭のなかの冷静な俺が、辛くないかとひなへと語りかけようとしているのに、いざ言葉にしようとすれば俺はただひなへと思いの丈ばかりをうわごとのように呟いてしまう。
俺が好きだと言うたびに、ひなの体内はきゅうと俺に絡みついてくる。それがまた愛おしくて、馬鹿になったようにひなに愛を囁いた。
「っあ・・・駄目、だめぇ・・・!」
「ひな、イっていいぞ」
「だめ、だめきちゃう、きちゃう蓮二くん蓮二くん、あっあっやだぁ・・」
泣き声に似た嗚咽を漏らしながら絶頂へと向かうひなの身体を強く抱きしめ、追い立てるように己を穿つ。
「イけ、お前がイくところが、みたい」
「っだめ、だめ・・・!くぅ・・ん・・・っ!」
チリリと焼けるような痛みが背に走り、ひなの身体が大きくしなった。
俺の楔を今までぎゅうぎゅうと締め付けていたナカが、ふわりとほどけてまるで温水のように俺を包む。
「くっ・・・!」
「んっ・・ぁ・・・」
俺を受け入れるようなひなの体内の動きに導かれるように、俺は腰に溜まっていた思いを薄いゴム越しにひなへとぶちまける。
頭の中がチカチカと点滅しているようだ。
一人では味わえない、ひなとだから辿りつける快感の高み。
びくびくびくと断続的に震える体を抱きしめたまま、俺は抱え折り曲げていたひなの脚をゆっくりと降ろした。
「はっ・・はあっ、っんん・・・」
「ふ・・・ひな・・・」
絶頂の余韻に震えていた細い体がゆっくりと弛緩し、ひなは俺の腕にくたりとその身を預けた。
まだ呼吸の荒いその唇をふさいで舌をまさぐる。ひなは力の入らないままながら俺の口付けに応えた。
熱い口内でひとしきり唾液を混ぜ合わせてから唇を離せば、名残惜しげな音と一本の銀糸がつながった。
間近でみたひなの瞳は強い快感に羞恥と理性が飛んでただ与えられた感触だけに翻弄されとろりと融けている。
「ひな、大丈夫か?」
「ん・・だいじょぶ、・・蓮二くん、すき」
ふにゃりと笑った顔に、達したばかりだというのに俺の雄がぐっと質量を増すのがわかる。
あ、と小さな声をあげてひなの頬が赤くなった。
「ひな、」
「うん・・・して、もっと・・・」
蓮二くんがいいの、という声に、俺の理性は再びとんだ。
ああ今日はお前が嫌だと泣き喚くまで、俺はお前を離さない。
そうだな、たとえ意識が失われても。
お互いに与えあう快感に身体を震わせながら、俺はひなの最奥をひときわ強く穿った。
ひなは俺のものだと、心の奥底で叫びながら。
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境さんまじ境さん
仲直りさせたら書いてあげる!って言ってくださったのを真に受けて24話を書き上げたすぐ後に境さんにねえねえ書けたよ!ねえねえ!って言いに行ったウザイ生き物は中村です。
境さんありがとうございました!!!!!境さんのサイトであるBATHさんへはリンクからどうぞ!