さぷらいず!
  



(・六つ子vsトト子♂逆ハートト子♂寄りで前回の続き。)
リクエスト作品です。トト子ちゃんが男に成っていますので、注意。


明日はトト子ちゃんの誕生日。いつもお世話に成っていて大好きな友達のトト子ちゃんにどうしてもプレゼントしたくて(だけど、普通に買ったらばれるので)隣町まで来たのだが、どうしても悩んでしまう。「うーん」あっちのネックレスも可愛かったけど、指輪もいい。少し値段を弾ませて、素敵なアクセサリーを買いたいのだが……、「あれー?名前ちゃんじゃーん?奇遇?っていうか、運命?」「そんなわけないでしょ!僕との運命だしっ!」おそ松に突っ込みを入れる、チョロ松の目が血走っていて本気で怒っていることが見受けられた。二人だけならまだよかった。「あれぇ、此処って女性に人気のアクセサリーショップだよね?僕が選んであげようか?」トド松が抜け目なく、入り込んでくるのにひっ、と声に成らないような悲鳴をあげて逃げた先には十四松が居て「あっ、僕と野球するんだ?!わーいわーい!名前ちゃんと野球するぞー!」と途端に水を得た魚の如く元気に成ってしまったので、四男の一松が止めに入った、普段は仲がいいが名前が絡むと途端に喧嘩が勃発するのがこの兄弟である。「やめろ。十四松、俺とデート……しよう?ひひっ」



マスクをしていた一松がマスクを取った先には不気味な笑みがあって、名前はフリーズしてしまった。更に追い打ちをかける様に一番痛々しい、カラ松が「エンジェル、いや、カラ松ガール、名前の為にラブソングを作ってきたんだ。聞いてくれ、あーあー」発声練習を、ギターを片手にし始めて、名前は涙目で震えはじめた。その時だった。「やめなさい!!!」ドカッ、とストレートを入れられたカラ松は随分と遠くまで吹っ飛んでしまった。その腕力は十四松を超えていて、十四松がそれを見てすっげーすっげー。っと羨ましげに言っていた。あれならば、確かに野球のボールも速く投げられそうだ。だが、そんなことは関係なかった。ぶっ飛ばされた、カラ松を見て、次は我が身だと薄々思っていた他の五人が動きだした。「お前は誰だ!」おそ松が震えながら、その長身でイケメンの彼を見上げる。彼は一言「あんたには関係ないでしょう!おそ松」



どうやら、一方的に知られているようで、おそ松に悪寒が走ったのと同時にまた、ワンパンくらわされて、今度はおそ松が吹っ飛んでいった。「ほ、本当に、お前、誰……俺、知らない……」いち早く猫の如く危機を察した一松が逃げ出していった。十四松は憧れているのか、すっげーすっげー言って周りをうろうろしていたのだが、一喝されて、一松と共に逃げ出していった。残ったのは、チョロ松とトド松だったが、二人は腕力に自信なんて勿論なかったし、戦力外通告を受けているようなものだったので、自然と後ろに下がって行った。「兄さん達ごめん!!」トド松がそう叫んで、カラ松とおそ松を置いて逃げ出していった。チョロ松も「ぼ、ぼぼぼ僕は何もまだ、していませんから!えっと!さようなら!!」と叫んで逃げ出していった。まだ、ってことはこれからなにかするつもりだったのか、と彼が逃げ出した方角を睥睨していたが、フリーズしていた名前に目を向け、柔和な顔つきに成った。



「大丈夫だった?」「え、あ、はい……有難うございます。まさか、こんなところで、六つ子さんに逢うと思っていなかったので、怖くて……」さっきのことを思い出して、肩を押さえて震えていた。そんな彼女を抱きしめた。こんなイケメンに抱きしめられると思っていなかったので吃驚したのと、行き成り知らない人に抱きしめられたことに恐れて、突き放そうとしたときに優しげな声で耳元で「私よ、……トト子」と聞こえた。え、まさかと見上げると少しだけ面影のある、焦げ茶色の髪の毛、に私を見るときの優しげな瞳、そこに私がうつりこんでいた。「……本当に、トト子ちゃん……?」だって、トト子ちゃんは男らしい部分もあるけれど、女の子で……?あれ、でも目の前にいるのは男性だ。と頭の中が惑乱していたら、トト子ちゃんが笑って言った。



「デカパン博士の研究所で美男子薬を貰ってきたの、で、それを飲んだってわけよ」「そ、そうだったんだ」急に肩の力が抜けて、へらりと笑うと視線が交わった。抱きしめられていた体が離れた時、寒さに寂しさを覚えたが、今は男の姿だけど元は女の子同士だから、仕方ないか、と思った。「そういえば、此処で何をしていたの?」「えっ」言おうか言わないか迷ってしまった。だけど、トト子ちゃんが寂しげに「今日、名前の家に行ったのに居なくて寂しかったのに」と言ったので思わず白状してしまった。「トト子ちゃん、明日誕生日でしょう。だから、ばれたくなくて隣町でアクセサリー買おうと思って……」しゅんと、母親にしかられた幼子の様に元気を失くしたのを見て、トト子が手を繋いで店の中のアクセサリーを物色し始めた。色々吟味をして、とある、指輪にたどり着く。それはシルバーの指輪で、シンプルだけど上品さのある指輪だった。



「これにしましょう?ほら、お揃いで薬指に付けるの。そしたら、もうあんな駄目ニートも寄ってこないし、虫よけにも成るしね、」そういって、おでこにキスをした。


あとがき

毎度ご参加、有難うございます。今回は、ちょっとでこちゅーも入れてみました。ラブラブしていますでしょうか?

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