お菓子か、悪戯か、



(・アースイレブンのみんなと夢主がお菓子あげたり貰ったり、イタズラしたりされたり、ワイワイとハロウィンを楽しむ感じ。瞬木(寄りか落ち))


今日は待ちに待った、ハロウィン!お菓子をザクザク貰ってやる〜!と思っていたのだけど、仮装はできていなかったりする。というのも、此処は地球ではない。サザナーラを出たところで宇宙のど真ん中だったりする。でも、サザナーラで買っておいたお菓子があるしバッチリだ。最初は誰にトリックオアトリート……。と、好葉ちゃん見つけた!そうだ。九坂君とイチャイチャ(本人は断っているけれど彼がしつこいイメージだ)していて、爆発しろと普段から思っているので、折角だ。「トリックオアトリート!」「うひゃあ!?」あ、後ろから声をかけてしまって、驚かせてしまったようだ。これは申し訳ない。あとで、九坂君に怒られちゃうかも。「って、名前さん……だ。うち……吃驚した……きょ、今日ってハロウィン?」「そうだよー。お菓子持っているかな?」「……」少しの沈黙のあと、ポケットを探っていたがやはり無かったようで、首を横に振ってしな垂れた。「ご、ごめん。うち、持ってきていない」



「じゃあ、悪戯だ〜!」「ひゃぁっ?!」そう言って好葉ちゃんを抱きかかえてくるくる回った。この子本当に軽いんだけど。ちゃんと食べているのか不安に成るなぁ。ずっと、好葉ちゃんとはこうして、触れ合ってみたかったのだけど、女の子が苦手だと言っていたし、それにこういうの苦手そうだから、こういう悪戯という名目を借りなければできそうにもなかったので、満足である。目を回した好葉ちゃんを支えてあげれば好葉ちゃんも負けじと「と、トリックオアトリート……」と小さな声で言ったのだった。私はゼリーみたいな物を差し出して、「これ!サザナーラで買っておいたんだ。お菓子。美味しいよ、ちゃんと食べたから味も保証できるし、何より、深海の仄暗い色合いじゃなくて沖縄の海のような色がとても綺麗だよね」「う、うん。有難う。名前さん」好葉ちゃんは受け取るとふらふらしながらも九坂君のところへ行ってしまった。断ったのにやっぱり仲がいいんだなーと多いながら生暖かい目で見守った。



次に遭遇したのは、皆帆君だった。「トリックオアトリート!皆帆君!」皆帆君は猫のように細い目をまるくしていて、ああ、そういえば。という顔をしていたが「はい。お菓子、サザナーラで買っておきました」「なん、だと……」予想外だった。皆帆君はこういうイベントごとには疎そうなイメージがあったのだが、と口にしないでいれば皆帆君がにっこりと純然とは言えない笑みを浮かべていて。「僕の得意な事は人間観察です。名字さんは、ハロウィンやイベントごとは大好きというか……お菓子が絡むときっとこういうイベントごとに乗じて、お菓子を強請るであろうということは、予測できていました。寧ろ出来ないわけがないんです」と胸を張って言った。腹が立つが大当たりなので黙っていた。



そして、決め台詞「トリックオアトリート、名字さん」「はい」ゼリー状のお菓子を差し出せば渋い顔をした。「僕のと同じに見えるんですが」「全然違うよ。人間観察は出来てもお菓子観察が出来ない人だね!それは私が選びに選んだお菓子だから超美味しいよ。味は保証してあげる。悪戯は勘弁してね。だって、皆帆君の悪戯とか怖い」そう言うと皆帆君は心外だという顔をしていて「何を言いますか。僕は、名字さんの好きな人を当てるくらいしかしませんよ。因みに僕の予想聞きたいですか?」「えっ?!」まさか見当ついているのだろうか?そんなにわかりやすいかな?私……とへこみ半分、驚き半分。冷や汗かきながら聞き耳を立てると皆帆君がそっと耳打ちをした。私の顔は茹蛸のように鮮やかな赤に染まってしまった。



その後も色々な人に悪戯をしかけたり、お菓子を貰ったりしたのだけど、肝心の瞬木の前にお菓子を切らしてしまったことに気が付いた。可笑しいな。人数分ちゃんと買ったのに……。と考えたところでハッと気が付いた。自分の分を人数に含めておらず食べてしまったことに。さーっと血の気が引いて行った。後ろから声がかかる、瞬木だった。「俺のところには来ないのか?」「い、今行こうとしていたよ!」瞬木はサザナーラの一戦から少し変わった。だけど、それも含めて瞬木だから、私は瞬木が好きだ。「トリックオアトリート、名前が配っているっていうお菓子気になるんだよなぁ」そう言って手を差し出している。最初からお菓子を配っていると知っていたらしくお菓子を貰う気満々の瞬木、こ、これは申し訳ないことをしてしまった……。まさか、もう切らしてないだなんて。「ごめん。瞬木、お菓子切らしちゃって……」



そう言って俯く、目を合わせられないで居たら瞬木の動きが一切なく心配に成り、顔を上げる。瞬木はくつくつ笑っていた。「知っている。俺の部屋の前でまずいって顔をしていたからな。じゃあ、悪戯でいいだろう?」そういって、急に抱きしめられたと思ったら瞬間唇に柔らかなものが触れて。ああ、キスされたんだ。と思ったけれど、まだ、どちらも告白すらしていないのにそれってどうなんだ。ってちょっとだけ思った。

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