いたずら&いたずら!



(・ザンのロデオとドリスとギガムとビッチな夢主でハロウィン)


名前という女はザンに所属していながら物を破壊するのは得意ではない。そのくせ、とてもビッチである。今日も、同じチームに属する男三人と話しているのだが、息まいている男どもとは対照的にどいつに対しても同じように気のある素振を見せるのだから救えない。「な、なぁ。名前、この間街を破壊している時に見つけたアクセサリーあるんだけどよ。どうだ?綺麗じゃないか?中には宝石?が組み込まれているんだぜ」何の宝石かわからないけれど、とロデオが口を噤んだところ、ザンの中で一番頭の回転(頭脳派)が良い、ドリスが「それはルビーですよ情熱、仁愛、威厳等が宝石言葉にあります。因みにピジョンブラッドっていう価値の高いルビーもあります。まあ、僕ならばそれをとってきてあげますけどね?」「わぁ。素敵!」



ツツ、と名前の背中に指を這わせる「ひゃっ!やあ、ドリス〜!」その声を聴いて苛つきに任せてギガムがそれを叩き落とした。「このセクハラ野郎!」「いいじゃないですか。減る物じゃないですし」「減るわ!どうせなら、俺の手で喘がせたいんだよ!」問題発言がポンポン飛び出ているが気に成らないのか、それとも、性格からなのか名前はふんふんと鼻歌を歌って、ロデオに話しかけていた。「ロデオ。これ。ネックレスでしょう。これ、つけてくれる?」「ああ、勿論だ」そう言って、ネックレスを手に取ると、露わに成ったうなじに釘付けに成る。真っ白くて汚れの無い綺麗なうなじ。蹂躙してしまいたくなるのは男の悲しい性なのかもしれない。ロデオはふぅーと息を吹きかけて、ちゅっとそこに吸い付いた。「ひゃん!」「?!」言い争っていた、二人の視線が一気にこちらに集中した。



「何しているんだ、ロデオ!」「全くですよ!僕だってやりたい!!」そういって、囲まれた名前は嬉しそうに二人を見つめた。「じゃぁ、三人ともやってくれる?」「勿論!!」二人の声がハモった。まずは首筋、ちくりとした痛みに少しだけ顔を歪めたが、続けるように促すと少しだけ肌蹴させた胸元に吸い付いた。どさくさに紛れて、ギガムが胸をふにふに揉んでいたので、ロデオが鉄拳制裁を加えた。全身が赤いキスマークだらけに成って満足したのか、名前が上機嫌で三人を見つめた。「んっ、これ、見えちゃうね」「!そ、そうだな……ところで、今日が何の日か知っているか?」普段の日常から一変、今日は何の日だろう?と首を傾げていたら、ドリスが「今日はハロウィンですよ」と笑った。



説明するとお菓子を持っている人はお菓子を渡して、お菓子の無い人は悪戯をされるらしい。それを聞いて目を輝かせたのは名前だった。「本当に?!じゃあ、皆トリックオアトリート!」パッと手を開いてお菓子を要求したがこんなむさ苦しい男どもが持っている筈も無く、困ったように視線を彷徨わせるだけだった。次第に顔をむくれさせていき、もういい、悪戯にするから!と怒ってしまった。「はい、じゃあ、まずはギガム。跪いて。そのままだと背が高くて何も出来ないからっ!」ギガムが言いなりに成り跪くすると、首筋に顔を埋めて熱い舌がチロチロと貼った。「?!」ギガムがくすぐったさに身をよじりながら逃げようとすると駄目!と言う制止がかかって仕方なくプルプル震えながら耐えた。漸く顔を離して貰えた時にはギガムの顔は真っ赤だった。



「次!ドリス!」「えっと……は、い。お手柔らかに」次のドリスは耳だった。カプリ!と耳朶に噛みつき、ペロペロ舐めたり時に噛みついたり強弱をつける。ゾクゾクとした快楽にも似た何かが走り抜けていくのを感じた。だがそれを悟られまいと平常心の顔を張り付けていた。片方が終わったのに脱力したが直ぐにもう片方の耳も齧られて「終わったのでは!?」と吠えてしまった。名前の悪戯は恐ろしい。はむはむ、やられている間はもう普通の顔ではいられなかった。恍惚の顔をしていた。テクニシャンなのだ。流石ビッチと呼ばれるだけはある。それをギガムとロデオは羨ましそうに見つめていた。ようやく解放される頃には足元が覚束なくてよろよろ、立ち上がって座り込んでしまった。全く情けないな……とロデオが思っていたら。次にロデオの番が回ってきてしまった。ロデオは自分は何をされるんだろうと期待半分恐ろしさ半分だった。



「えーと、ロデオは……じゃぁ、」グイとマスクを引っ張られる。そのまま、下に、ずり下げられる。顔が近づいてくるまさか、これはキス?!とロデオが胸を高鳴らせていたら案の定キスが降り注いだ。しかし、普通のキスではなく舌がぬるりと滑り込んできて、絡まってくるような大人のキスだった。「ん〜!?」ロデオがまさか、こんなキスをされるとは思っていなくて、吃驚したような声をあげていた。やがて口が離れる頃には真っ赤に茹で上がったロデオが幸せそうな顔をしていた。少し息を整えた後に「トリックオアトリート、名前」「え?」「お菓子くれなきゃいたずらするぞ」……どうやら悪戯はまだまだのようで。


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