逢魔が時に




(・ロリ巨乳主(1年)を溺愛(重すぎる愛)する喜峰)
夢主へではないが、暴力注意。狂愛気味。


名前という少女は、中学一年生で岬と同じ年であったが、まるでまだ小学生程度の容姿を持っていて、背は幾分か低かった。だが、胸だけは立派な程に成長していて、同学年の女子よりも豊満であった。そして、無垢であった。故に皆から愛される存在であった。この年齢に成ってくると、男子は性に目覚め女子をそういう対象で見てしまうものも現れる。その対象に、名前は入っていた。幼い見た目に反して、胸が豊満で走るたびにたゆんたゆんと揺れる胸。それは男子生徒を魅惑してやまなかった。それが嫌でたまらないと思っていたのは名前ではなく、名前に懸想する岬だった。岬は名前の事を純粋に愛していて、名前はあまり豊富とは言えない知識の中でも岬は自分を愛してくれているという事を理解していた。



岬が許せなかったのは、名前に汚れを持ち込む輩全てだった。名前を性の対象として見る男子には威嚇と、ともに汚い物でも見るような目で見下しながらお前には名前は釣り合わないと言葉で罵倒するのだった。「言いすぎだよ、岬君」「ふん、こいつにはこれくらい言ってやらなければわからないんだよ」なんて、言って蹴りをお見舞いしようとしていた足を引っ込めた。まさか、暴力を振るう所を名前に見られて嫌われでもしたら、岬はきっと生きていけない。ロリっ気のある名前は先生にも気に入られていた。そんなときは岬は「まさか、先生はロリコンなんかじゃないですよねぇ……?」なんて、敬語を使いながらも先生をロリコン扱いして、授業中はずっと態度が悪かった。



どうやったら、虫は寄りつかないのだろうか。殺虫剤は、普通の虫は殺せても男どもは殺せないし、気持ち悪いくらいに纏わりついてくる、視線は絡むばかりで中々振りほどけない。どれだけ殺気を放っていても、岬は外見が女にも見える。勿論、口を開けば口が悪いので、すぐに男だとわかるのだが、声変わりもまだで何処となく頼りなげに見える。だが、それは外見に惑わされているだけの奴らの台詞である。実際の岬は名前のボディーガードをしっかりと果たしているし、しつこく迫ってくる男には陰で蹴りをお見舞いしてくれているのだから、二度と名前の前には現れない。その事には名前は気づいていなかった。



「そういえば、隣のクラスの佐藤君見かけなくなったね」岬がこの間裏で、フライングフィッシュよろしく蹴りをお見舞いしてやった相手だった。奴の目は飢えた獣、ハイエナの様で岬は気に入らなかった。「ああ、何でだろうな?」岬は敢えて知らないふりをする。名前はそれまで、毎日通い詰めて、話しかけに来てくれていた人物の心配をする。岬はそれが面白くなくて、名前の頬を押さえて笑った。「なぁ、目の前に居るのは誰だ?」わかりきった答えの質問をぶつければ名前は頭の上に疑問符を浮かべながら「岬君だよ」と答えた。「そう。俺だよな?じゃぁ、今はあいつの話する必要はないよな?」岬は嫉妬深い所もあった。自分以外の男の話は面白くもなんともなかった。ただ、悔しいだとか、耳障りだとか、そういう認識であった。



名前はよくわからないけれど、岬の機嫌が悪くなっているのには気が付いていて「そっか?」と言ってそれ以上の追及はしなかった。岬にとっては都合がよかった。名前が純粋で無垢な存在でなければ、きっと、自分の汚い欲とかに気が付かれていたかもしれなかったからだ。名前は知らない。しつこく付きまとっていた男子の末路を。何人もの男が、病院送りになっていることを。だが、それも誰にやられたとかわからなくて問題に成っていることも。そして、それは見当違いの知らない悪い大人が子供を傷つけていると学校側が発表していることも。今日の学校の終わりに先制が告げる。「昨日も隣のクラスの佐藤君が、大怪我をして病院に行きました。皆も学校帰りには気を付ける様に」「はーい」覇気のない声が返事をして今日は終わりに成った。



帰り道、二人きり。逢魔が時に、背伸びをしたかのような長い影を追いながら隣を歩く名前を愛おしげに見つめる岬。対照的にちょっぴり怖そうにしている名前「怖いねー。私たちも気を付けないと。岬君も気を付けてね!」岬は何を示しているのだろうと一瞬思案したが直ぐに現実に戻ってきた。「ああ。勿論。そんな奴、俺のフライングフィッシュで返り討ちにしてやる。お前の事も守ってやるからな、安心しろよ。そんな、不安そうな顔をするなって」岬が指摘してやると名前が笑った。「有難う、岬君。頼りにしているね」「ああ」岬が応と答えた。



そりゃそうだ、犯人は岬なのだから。襲うわけがないし、襲われるわけがない。それを知らない、名前は安心しきったように岬の隣を歩いている。逢魔が時、知っているのは岬だけ。


あとがき

なんか、狂愛に成った気がします。重たい愛とは何でしょうか。


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