リア充に昇格!?



なんだか、今日は磯崎の奴、凄く苛々していて磯崎の周りだけ空気がピリピリと近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。テストで赤点でも取ったのかと思ったが、どうも違うらしい。「……磯崎?どうしたの……?」意を決し、話しかけてみると磯崎はこちらに視線だけを向けた。「いや……。リア充爆発しねぇかなぁ……と思っていただけだ」……爆発。それ、だけ。で済む話じゃない気がするけれど。「この糞寒い中、リア充共はチョコレートの美味しさに舌鼓を打ち、いちゃらぶしていると思うとなんか……すげぇやるせねぇんだ」



鬱陶しそうに、縛っている髪の毛を払いのけ磯崎は本当もう、爆発しろ。寧ろ爆発ですめばいいな!とか怖いこと言っている。「……そんなこといったら光良とか毒島爆発しちゃう」爆発するぞ!モテモテだぞ!彼らは何故かモテるからなぁ。私には彼らの良さがわからないけど。「そうだな!ははっ!確かに光良も、毒島も爆発しちまうな!でも、それだったらお前もリア充だろ」ははっと邪悪な笑みを浮かべて吹きだした。「……私も?非リア充じゃん。青春とは程遠いし!」と口を尖らせる。リア充って、恋人とか友達とか沢山で幸せな人のことでしょ?なら、やっぱり非リア充だ。うん、なんか、悲しくなってきた。



「そうか?お前顔綺麗だし、もてるだろ」性格も綺麗かはわからねぇけど!と失礼なことを付け足した。最初の言葉にドキッとした私が馬鹿だった。そうだ、こいつはこういう奴だった。「うわっ!うざっ!磯崎そんなこと言っているともてないぞ!」「別にいい。諦めって肝心じゃねぇか?」フッと、鼻で笑った。人生諦めるの、早くないか?まだ、中学生じゃん。ていうか、磯崎実はモテるんだけど、顔が怖くてチョコレート渡せないだけなんだって!「大丈夫、まだ希望はあるって。諦めないでよ。ゴールするにはまだまだ早いって!磯崎はモテるけど、顔とか性格が怖いから渡せないだけなんだって」「……なんだよ、お前慰めているのかよ」



また、磯崎が笑った。先ほどまでのピリピリした雰囲気とは大違いだ。「煩い!磯崎も、苗字も爆発してしまえ!」後ろから篠山が悲痛な声で叫んだ。どうやら……私たちもリア充に昇格したらしい。私と磯崎は、お互いの顔を見て苦笑いした。

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