星空の終わり



これの別パターン。どの道、バットエンド。最低な表記と微妙に性描写を匂わせますが、直接描写は無いです。霧野さんが気持ち悪くなり過ぎたので本当に注意してください。



名前と資料を運んだ日、俺はなんとか理性でそれらすべてを抑え込んだ。すべてが順調だった。名前との仲は日に日に近づいていった。名前の中で俺は友達となった。信頼関係を壊さないように、俺は物をとらなくなった。どうしても制御がきかなくなりそうな日もあってけれど、その時は家にある名前の物たちで俺の心を静めた。



友達になってから、また月日が流れた。俺は頃合いを見て名前に告白した。名前は驚いた顔をしていたけれど、笑顔を作ってうなずいてくれた。怖いくらいにことがうまく運ぶ。このままうまくいけば名前のすべてが俺のものになる。そう思うとたまらなく興奮する。何度もデートを繰り返してようやく、お互いの家を行き来するようになった。勿論まだ、キスだけで何もしていない。無理矢理奪うのは簡単だ。だけど、崩壊も一発だ。俺は崩壊させる気はさらさらに無い。此処まで耐えてきたのも、全てすべて名前のためだ。勿論、名前が来る日は俺の宝物すべてを、隠している。ばれたことはない。だから、だろうか……俺の気は緩んでいた。



「お邪魔しまーす」「どうぞ」部屋へ入るように促すと、名前は目を輝かせて俺の愛用の椅子にちょこんと腰かけた。行き来するようになった、と言ってもまだ……両手で数えるほどもない。緊張した面持ちできょろきょろと落ち着きなく俺の部屋を見ていた。「別に俺の部屋に面白いものなんて、ないでしょ?」「そ、そうかなぁ?私男の子の部屋なんていかないから」照れくさそうに名前が笑った。そういえば、名前には男兄弟いなかったけ。



名前の傍に近寄って、甘えるようにすり寄ると名前が愛しげに俺を見つめて、髪の毛をさらさらと撫でた。雰囲気に乗じて、キスを降らせれば名前が恥ずかしそうに視線を逸らした後に、俺のキスに答えてくれる。雰囲気が先ほどと違うものになっていた。場所を椅子から、俺の狭いシングルベッドに移すと名前は困ったように俺を見上げていた。「駄目?無理強いはしないけど」上から、名前の瞳をそらさずに見つめていると名前は「……いい、よ」とだけいった。「あ、だけど……恥ずかしいから……その、あんまり見ないでね」控えめに俺の服をつかんでそれだけ言うと、まだ太陽が元気に活動しているというこの時間に不純な行為を始める。



それが終われば、幸福感(征服感)に満たされる。名前は俺の物だって、実感できる。本当に長かった。狂いそうな程に長かった。だけど、俺は耐え抜いた。名前がシャワーから上がってきた。俺と同じシャンプーの匂いを纏わせて。俺が「次、シャワー使ってくる」って、笑うと「うん」ってうなずいてくれる。少しだけ上気した肌が色っぽい。ベッドに腰掛けて、待っているね。とだけ言ってくれた。そのあとの悪夢なんて知らずに、俺は笑う。笑う。



くしゃり、大きめのタオルケットで体を拭う。ドライヤーで乾かすのが億劫で、名前に早く会おうと時間を惜しんで、適当な服に身を包んだ。「名前、」名前を呼ぶ。名前は何かを手に取っていた。「……名前?」俺はもう一度だけ名前を呼ぶ。おかしい、直感的に俺は何か違和感を感じ取っていた。「らん……、」言葉を詰まらせる、俺に見せるようにそれを小さく掲げた。俺はそれに、見覚えがあった。俺が叫びだすのと同時に震える名前が目に入った。それは、名前が捨てたはずの下着。「あああああああああっ!!!」理性を失い発狂する俺と呆然とその光景を見つめ続けている、名前。こんなところでばれるなんて、なんでなんでなんで。隠していたのに、ああ、そういえば、それ……昨日の自慰行為に使ったかもしれない。いや、使ったんだ。



己の精液に塗れた、それはどうして見つかった?あれ、俺そういえば、名前が来るときにちゃんと片付けたっけ?嫌な予感が過った。そして、それは多分、俺の嫌な予想通りの結果だろう。……俺は、片付けていない。否、片付け忘れたんだ。俺は、気が緩んでいた。今まで名前に見つからなかったから、気が緩んでいたんだ。きっと、ベッドの隅にでも、あったんだろう。「……らん、ま……る。若しかして、今まで私の無くなったものとかも……全部」名前が疑いの眼差しを向けている。……名前の捨てたはずの下着を見られた時点で、もう言い訳の仕様がない。俺は発狂し、泣きながらごめん、ごめん、ごめん。と謝り続けた。壊れたように、謝り続けた。でも、名前はきっと許してくれない。愛していただけなのに!どうして、うまくいかないんだろう。


title 箱庭

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