此処は天国か、はたまた



(剣が君/斬鉄)
阿片のお話。性描写を匂わせるので15推。


最初は嫌々だった。阿片等と言うのは、投獄された者に対する自白剤等に用いられる物で使用すれば陶酔感等を得られると聞いていたからだ。そのような物を使って、ただで済むわけがない。だが、目の前の鬼はそれを吸えと言ったのだ。私は震える指でそれを取って、乱暴されるのは嫌だ、と吸ったのだ。それが悪夢の始まりだった。斬鉄様はそれから度々、売り捌く為の阿片を私に寄越した。何の為にとかそんなのは、わからなかったが。ただ阿片を吸って暫くはまるで夢のような陶酔感が私の体を支配したのは覚えている。陶酔している間は異様に行為が気持ちよかったのは覚えている。勿論客とのではない、斬鉄様に抱かれたのだ。ひと晩で何度も上り詰めては、快楽を貪った。斬鉄様もくつくつと笑いながら、気持ちよさそうに目を細めて何度も何度も私の中へ出した。斬鉄様との行為は阿片のせいだろう。何故か飽きることは無くて、もっともっと欲しいと思った。



だが、斬鉄様が私にたまに阿片を与えなくなる時があった。どうにも、私に飽きて捨てたとかではないようで、その時も「阿片が欲しいか?ならば、俺を満足させてみせろ。そうすれば、くれてやる」そう言って行為を行った。その時はいつも求めてくる斬鉄様も一切動いてくれず私が全て奉仕せねばならなかった。私は己の持つ技術全てを使って必死で斬鉄様を満足させて見せれば、笑って私に阿片を寄越した。そして、また行為を行う。だが、与えられていない時の自分は拷問されている如く、酷い有様だった。そうして、私は阿片無しでは生きられなくなったのだ。斬鉄様にいいように使われているのは知っている、何故私が選ばれたかは知らないが。斬鉄様は目を細めている。ああ、今日もだ。もう既にジンジンと熱く濡れているのがわかる。



此処は天国か、はたまた、地獄か。天にも昇りつめるほどの快楽と、陶酔感。地に叩きつけられたかのような地獄のような無限にも感じられる時間。私は自我すらも無くなるのではないかと思うほどに狂わされた。斬鉄様に。阿片に。わかっているのに、最早非力な自分ではどうにもできないというのがもどかしかった。きっと、終わらない悪夢というのはこの事を指すのだろう。鬼に犯され、阿片に狂い、ただ喘ぐことしかできない。ああ、呪わしい、ああ、口惜しい。私は元凶である斬鉄様無しでは生きられやしないのだ。

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