人生の汚点です!




(・バラン兄弟に監禁される)


こいつらに捕まった私はこの事を永遠に、人生の唯一の汚点だと言い続けるだろう。本当何で捕まったのかよく覚えていないのだが、確かラトニークの人たちがあまりにも友好的で、襲ってくる植物マドワシソウさえなければ快適だったので、夜、散歩してからだと思う。流石に阿呆そうな兄弟二人を目の前にした時は臨戦態勢を取ったのだが、そんなのお構いなしに人の目の前でこそこそと相談しはじめて、こちらをジッと見て「捕まえるぞ、ガンダレス」「リュゲル兄〜、でも、捕まえた後どうするんだ?」「そんなの決まっているだろ。監禁するんだよ」「監禁?」「捕まえて、閉じ込めておくってことだ」「すげーよ、すげーよな!リュゲル兄はなんでも知っていて!」「言うな、ガンダレス……それ以上は何も言うな」



このやり取りを見て私は、阿呆そうと脱力した。だが、人を見かけや思い込みだけで決めつけてはいけない。こいつらの実力は流石とでも言うべきか。かなりの物だった。あっさりと捕獲されている私が言うのだから間違いがない。というか、大体、あの阿呆そうなやり取りをしている最中に叫ぶなりなんなりすればよかったのだ。二対一なんてずるいぞ!と思ったのだがリュゲルという白い方が「これも戦略の一つだ」と言った。成る程、阿呆は阿呆なりに考えているらしい。それにしてもガンダレスとかいう黒っぽい阿呆はさっきからリュゲル兄ってすげーすげー言っていて耳障りだ。何も凄くないじゃあないか。



別に何かに困っているわけではない、キチンと食事も出してくれるし(何かわからないけどこいつらが作ったわけじゃないんだろうな、だって普通に美味しいし)。最初は確かに警戒していたのだけど(食べ物も毒殺されるんじゃないかと疑っていたら、リュゲルっていう方が何かを察したらしく、私の食事を食べたので安心して食べた)何かされるわけでもなく、ラトニークでの試合の時はちょっと居なかったけど直ぐに帰ってきて(脱出は地球の技術では無理そうだったので少し、足掻いて断念した)ファラムのこいつらの住んでいる家らしきところに連れ込まれた。



少し退屈だけど、やはり何もない。何とか脱出はしたいし、アースイレブンの皆もきっと私が居なくなったと騒いでいる頃だと思う。きっとこいつらの事だから私のダミーとか作らないだろうし、そこまで頭も回らないだろう(回ったとして、こいつらだから粗悪な物であろう、間違いない)。「なあなあ、リュゲル兄ぃ、名前退屈そうだ」プニプニ私の頬をつついて退屈そうと言うので鬱陶しげにそれを払う。「ガンダレス、流石に何もさせていないからな。地球では、食べて寝るだけだと牛とかいう生き物に成るらしい」「リュゲル兄ってすげー!なんでも知っているんだ!って、よくわかんないけど、それ不味いんじゃ」「ああ……ガンダレス。だから、今日はこれをさせてみよう」何をやらせるんだろうと不安がっていたが、不安がるような物じゃなかった。



全くこいつらは阿呆でどうしようもないな、と少し心配に成ってきた。私がいなければ、まともに何かできないんじゃないかと思い始めてきた。キュッキュとボールを磨いたり疲れた二人のマッサージをするだけの簡単なお仕事なのだが、こいつら警戒心なさすぎ、私に首を絞められるんじゃないかとかそんな不安はないのかね。ああ、それにしても……「あー、気持ちいい〜、やっぱり名前、かんきんして正解だったな、リュゲル兄!」「言うな、ガンダレス……それ以上は何も」……何で私を捕まえたんだこいつら。


あとがき
途中、監禁ってなんだろうって思いました。この二人にはなんだか、あんまり物騒なのが似合わないですね。お馬鹿で可愛い二人が好きです。多分、ご希望されたのと随分と違うと思いますが、申し訳ないです。


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