青空が恋しいって春が言ってた




(現パロ)


関興君と付き合う事に成った。しかし、問題は此処からだった。関興君は何でも早い、告白も「ねぇ、駄目?」と雛鳥が親を見る様な純真な瞳で見つめて来るものだからごめんなさい、貴方の事全然知らないんで無理ですなんて言えなくて結局そのまま流されるように付き合ってしまった。関興君はその日のうちに恋人繋ぎという荒業をしてきて人の心臓を鷲掴みにしてきたのだから困る。それから、暫く……といっても一週間程で、キスがしたいと言ってきたのだから吃驚たまげてしまった。え、え、キスとかって、普通一週間くらいの感覚でしちゃうものだっけ?このままだと禁断の領域にまですぐ到達しちゃいそうなんだけど、それも「どうしても、駄目?」とか悲しげな瞳で言われて頷いちゃうんだ、きっとそうだ。って、それは駄目だ。貞操が危うい!



「キス……どうしても駄目?」長い睫毛を震わせて、何処か儚げにも見える表情でどうしてもどうしても、駄目……?と再三に尋ねてくる。困ったなあ、此処外だし。全然場所とか考えていないよね!関興君!って思ってせめて、屋内でと考えてしまった自分がいた。え、それって、結局関興君のキスを受け入れるってことじゃん!駄目じゃん自分!軽い女だなんて、思われたくないよ。関興君にどんどん自分を与えるとその内興味無く成って捨てられちゃうかもしれないし、嫌だよそんなの。勝手に惚れられて、勝手に捨てられるとか何処の悲劇ですか。「ねぇ、キス……したい。駄目……?」まただ、心がざわつく。



私は目を見開いたまま固まっていたら顔が近づいてきたので慌てて距離を離す。「待って!まだ付き合って一週間も経っていないよ!関興君!落ち着いて!」「名前こそ、落ち着いて……?だって、私は付き合うずっとずっと前から、名前の事好きだった。それじゃ、駄目なの?」ぼんやりしているようで、ずっと想っていてくれたようで……それは嬉しいけれど、って考えていたらまた間合いが詰められていた。頤に手を添えられくいっと前を向かされた。「目ぇ、とじないの?」「いや、だから……」そういうとクスッと笑われた。「いいよ。目、閉じなくても。そのまま、キスするから」いやああああ!待ってええええ!と思ったが時すでに遅し、ちゅっと子供がするような幼い愛情表現のキスが降り注いだ。


Title すいせい


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