れんごく!




煉獄主と張遼の生前の記録。ほのぼのと殺伐が入り乱れている。

やまだ事件

「張遼張遼。いつも鍛錬お疲れ様!」疲れたでしょうと言って水を差しだす名前から水を「有難き幸せ」と言って受け取り口を付ける。「所でさ、やまだーやまだーって言っているけど、誰の事?」「?!」「張遼のお友達?今度連れてきてよ!張遼のお友達ならきっといい人だから!」張遼は複雑な面持ちをしながら俯いた。何としてでもこの人のご期待に添えねば。という気持ちと、嘘をついてしまうと言う気持ちが同時に交差していたからだった。数日後、やまだと名乗る一人の男が居た。「あの、私そn」「やまだ殿?何をおっしゃっていますかな?」「ひっ!や、やまだです!名前様!」「わーい!やまだだー!よろしくー!」「ほっ」


届かない事件

「うんしょ、うんしょ!」桃の木によじ登りながら、桃を取ろうとしている姿を張遼が発見した。「な、何を為さっているのですか!危ないですぞ!」そう言って登りかけていた名前に失礼致すと宣言してから抱きかかえた。「うわー!もうすぐだったのに!」「この張文遠、名前様の御身に何かあったら生きていけませぬ!!私が桃くらい取って見せましょうぞ」そう言って軽々と名前よりも長身な(されど筋肉のついた)張遼が桃を取って見せた。「わー!有難う!張遼!」また別の日。「うーん、うーん……!」「?!」台を使って竹簡を取ろうとして背伸びしている名前の姿を発見した。


視察事件

「視察に行くよ〜張遼お留守番する?」「(城を空けるのも不安だが、名前様の御身の方が大事だな)いえ、この張文遠、名前様と共に」そういうと相好を崩した名前が明るい声で言った。「そっか、じゃぁ、行こうか」「はい」視察と言っても暴君である、名前を見かけると人々は顔を恐怖に染め上げる。それが張遼も一緒なら尚のことだった。「あ、肉まん!食べて行こうよ!」「ええ……」「おじさーん!肉まん二つね」「へ、へい……」アツアツの肉まんが二つ手渡された。「(何か臭うな)」「美味しそう〜」「名前様失礼致します」そういって、肉まんを地面に投げ丁度良くそこに居た犬に食わせた。犬は悶絶しながら絶命した。「!」「矢張りか。この罪は重いぞ」「ひ、ひぇぇ……ゆ、許して下せぇ」その男は城に連れて行かれ、張遼の拷問の末に命を落とした。



婚儀事件

「嫌だよっ!」「しかし、」名前が駄々をこねるのは珍しい事ではないのだが、今回ばかりは勝手が違っていた。嫌だの一点張りで張遼も仕方ないなとお断りを入れようと思い、その辺の文官をこき使って「婚儀はお断りいたします」の文面を書かせて走らせた。むぅ、とむくれた名前が可愛く思えてだけど、崇高な存在で「張遼の馬鹿!私が何処かお嫁さんに行ってもいいの?」「いえ、そのようなことはおっしゃっておりませぬ」どうか、機嫌を直してくださりませぬか?と下から覗き込むようにすれば、うぅ、と何処か息苦しそうな名前の瞳とかち合った。「うぅ、今回だけだよ……。私絶対に結婚しないんだからっ!」「好きな殿方でも?」何処か殺気を孕んだ語気の強い言の葉だった。名前は頬をほんのりと朱色に染めて。「内緒だよ!」と言った。これでは、張遼にも手は出せなかった。


呉が欲しい

「はぁ」「溜息を吐くと幸せが逃げますぞ」「ねぇ、張遼。お魚食べたい……きっと、皆もお肉とお野菜は飽きていると思うんだ!」お魚とらないと栄養偏っちゃうし、それに、お肉ばっかり食べていると太っちゃいそう。と名前が困ったように柳眉を下げた。それを見て、張遼は必ず呉を取って見せると誓ったのだった。


張遼と遠乗りする準備

「お馬さん早いぞ早いぞー」馬を全速力で飛ばしている名前。馬は嘶き、風を切り喜んでいるように見える。「あ、あぶなっ!危ないですぞ!私と乗りましょうぞ!」そういうと不貞腐れたようにぶーっと頬を膨らませて、嫌だよと断りを入れた。「だって、張遼と乗ると馬遅いもん」わざと遅く走らせることを知っている名前は絶対に嫌だと言う。「駄目ですぞ!御怪我をされたら大変ですぞ!ささ、私の馬に乗ってくだされ。今日は少しだけ早くとばしますから」「本当に?」「本当ですぞ、この張文遠嘘は吐きませぬ」そういうと自分の馬から降りて、張遼の馬に乗った。その馬に一緒に成って乗る。馬の腹を蹴ると少しスピードがあがった。「あー!お馬さん蹴っちゃ駄目!可哀想!」「はっ……は、申し訳ない」


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