これは愛だとぼくだけが知ってる




その他(人名等)は鍾会との子供。


「父さま、母さまとけっこんしたのはなんでですか?」突然のその他(人名等)の質問攻めである。実際は私から求婚し、恋人の期間も設けていたのだが、それでは、私の威厳が地に落ちてしまう。それだけは何としても回避したい事柄であった。そこで、私は事を捏造することにした。(まあ、名前も私らしいなどと笑いながら許してくれるだろうと仮定しだが)「それはだな、英才教育を受けていて、完璧な私に名前が惚れたからだよ。当たり前の事を聞くなよ」「……父さま、母さまと言っていることが違います」「何?!」その他(人名等)め、名前から先に聞いたという事か?!私は自分の失態が恥ずかしくて死んでしまいたくなったがそれどころではないくらい尋常じゃない程熱を持っている、頬と耳、それから全身を冷やしてやりたくなった。



「母さまは、父さまがどうしても、と迫るからと言っておられました」「?!」全部ばれているじゃあないか!どうしてくれる!名前め、始めての夜も散々からかってくれた上に、このような辱めを受けさせるとは何事だ!「で、父さま!父さまはなんて母さまに告白なさったんですか?」これ以上の辱めは拷問に近いぞ!阿呆どもが!私はふい、と顔を反対に背けて「知らん!覚えていない!」と言って逃げた。その他(人名等)め、思春期か、そういう年頃なのか?!



「あっはっは!そうか、そうかその他(人名等)がか!」「笑いごとじゃないよ!私がお陰で恥をかいたじゃあないか」そう言って茶を啜って執務をこなしている名前に対してやり場のない怒りと辱めを受けたことをぶつけていれば笑って返されてしまった。「だがなぁ……事実だし……なぁ?」視線で私の事をさりげなく、笑っている。ふるふると作った握り拳が恥ずかしさに揺れた。確かにあれは一世一代の大告白だった。不意に執務に飽きたのか、くるくる筆を弄んでから机の端に置いた。そして私に近づき、これでもかってほどに顔を近づけ耳元で囁いた。「あの時の告白の台詞をもう一度言ってやろうか?」ニヤリ、という擬音がぴったりなほどに邪な笑みを浮かべていた。やめろやめろ!恥ずかしくてそれこそ、もう二度と呼吸をしたくなくなってしまうじゃないか!


title エナメル


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