有害レーゼドラマ




エンパ。関興×夢主←鍾会



はじめに告白をしたのは私だというのに。何故あやつは、関興などを選んだのだ。たまに抱きしめている彼を見ては嫉妬の炎を燃やした(奴は抱きしめるのが好きらしい)。私はせめて、名前の傍に居たいと願い、婚姻の儀を執り行った翌日に直ぐに名前に義兄弟の契りを申し込んだ。名前は屈託なく笑って、「うん、いいよ。鍾会」と言ったのだった。迸る痛みに、胸を焦がし、縋りついたあの日に。義兄弟の契りを終えた時に爽快感など存在しなかった。そこにあるのは、虚しさと空っぽに成った心だけだ。名前の無駄な優しさに私は取り殺されそうになってしまう!



花は散りゆき舞踊る。変な優しさのせいで(そんな慈悲は要らなかった、要らなかった)、私は名前を忘れられずにいた。名前が関興の子を孕んだらしい。それからしばらくして伝令兵から聞いたことだった、どうやら男児らしい。仲睦まじく、名前を相談して決めているところに無性に腹が立った。「関……何がいいだろうね?」「そうだな……難しくて、私にもわからない。なにせ、初めての出来事だから、それよりも、私の子を産んでくれて有難う、名前」耳をそばだてているわけでもないのに、随分と私の耳は優秀の様だ。まあ、私に欠陥があるなどあり得ぬ話なのだが。



私はいつからこんなに貪欲に成ってしまったのだろう。心が全身が名前を求めてやまない。奪い去ってしまえばいい、そんなことすら思うようになってしまったのだ。壁際に名前を押しやって、逃げ道を塞いだ。「どうしたの、鍾会」怯えながらもまだ、私を信じているという瞳をしていた。揺らいでいるけれど。「私の英才教育は間違っていない」だから、これから起こす行動も間違っていない。私の英知があふれ出ている、清く正しい行為なのだ。(貪欲に、貪欲に。貪れ、)初めてのキスは名前涙の味がした。



「私が先だった、私が先にお前に好きだと言ったはずだ」「そんなこと言われても……関興に見られたらどうしたら、」生憎その人物は居なかったので見せつけることが出来なかったがこれで今は良しとしよう。目の前で大粒の涙をはらはらと流す名前に無性に腹が立った。「私の方が先にお前を好いていたのだぞ、気持ちを踏みにじったのはお前だ」だから、私は悪くない。悪いのは、英才教育を施された完璧な私ではなく関興を選んだお前なのだ。「酷いよ、酷い。ずっと友達だと、義兄弟だと思っていたのに」それは勝手な思い込みに過ぎない。この世界は、お前が思っているよりもはるかに汚くて、空も海も汚染されている。血と、それから屍と。愛憎で出来ている。


title カカリア


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