企画 | ナノ

大好きな貴方へ

そわそわと気が落ち着かないのをなんとか堪え、浩史君が帰ってくるのを待っていた。
時間は既に23時を回っており、もうすぐ1/28日が終わってしまう。
今日中に会うことは出来ないかなと少し気分が落ち込むが、にゃーさんがそれを慰めるかのようにすり寄って来る。

「にゃーさんも寂しいの?」

「にゃぁ」

私の言葉を理解してくれるかのように鳴くにゃんこ先生に励まされ、鞄の中にしまっていた箱を取り出した。
特別なものでもなんでもないプレゼントだが、やはり渡したいなと箱をそっと包む。

まだかまだかとそわそわしていると、にゃんこ先生がトテトテと玄関まで向かった。

「にゃーさんどうしたの?」

それについていけば、玄関のドアがガチャリと開かれる。

「あれ、神流?どーした?」

少し呆気に取られている浩史君が立っていて、プレゼントを潰さないように気をつけながら、ギュッと抱きついた。

「浩史君お帰りなさい!誕生日おめでとう!」

「えっ?あ、ありがと」

少し戸惑いつつ抱きしめてくれる浩史君から離れ、プレゼントを差し出した。

「浩史君、今までも、これからも、ずぅっと大好きだよ!」



私の全てを貴方にあげるよ。



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