Short | ナノ

変態な幼馴染

「神流!ちょお服脱いでや!」

「はあ?」

最近、お隣さんの幼馴染が気持ち悪いです。









どうも、神流です。
蔵ノ介の部屋に来るなり、冒頭の言葉を言われました。
意味がわかりません。

「あんたいきなり何言ってんの?」

「俺な、最近溜まってんねん」

「はあ」

「せやからな、なんかオカズが欲しいん」

「ふざけんな」

最近よく交わすこのやり取り。
学校では完璧だ聖書だもてはやされてるけど、私から言わせればただの変態だ。

「ええやん!俺と神流の仲やろ!?」

「どんな仲だし!」

正直に言って私と蔵ノ介はマジでただの幼馴染。
そんな関係じゃない。
断じて。

「てうゆかエロ本でも買ってくればいいじゃん!それでいいじゃん!」

そうだ。
エロ本があるじゃないか。
なんだったらAVとかもあるわけだし。

「そんなんで興奮するわけあらへんやろ」

真顔で返された。
エロ本で興奮しないんだったら私でも無理でしょ。
そういったら予想外の返事が返ってきた。

「余裕。俺、神流大好きやから」

「………は?」

思わず固まった。
だって今こいつなんていった?

「神流?おーい」

「ごめん、もう一回言ってくれるかな?ちょっと耳がおかしくなったみたい」

「?別におかしくなってへんと思うけど……俺、神流が好きやからオカズにしたい言うたで?」

あれ?
この際オカズ発言は置いといて、やっぱりこいつ、神流が好きって言った?



………神流って私のこと?

「目の前の自分以外に誰がおるん」

「…悪ふざけいくない。嘘いくない」

「まあ、最初にいった言葉が悪かったなあ


……神流、俺は真面目やで?」

――ドサッ

いきなり視界が反転したと思ったら、ベットの上に押し倒された。
上には蔵ノ介の顔。
……え?

「俺な、ホンマに神流のこと好きやで?

……なあ、信じてくれへんのやったら、このまま犯してもええんやで?」

耳元で囁かれて、顔が赤くなる。
こんな風に押し倒されて、こんなこと言われて、普段だったら嫌悪しか抱かないのに…。

「な、神流…好きやで」

何でこんなにドキドキするの。
蔵ノ介の顔が良いから?

「神流は俺のこと嫌い?」

蔵ノ介の顔が悲しそうに歪む。
この顔を見てると、嘘でも嫌いなんて言えなくなる。

…嘘、元から蔵ノ介に嫌いなんて言えないんだ。
気づかなかったけど私は、

「………すき」

私はずっと蔵ノ介のことが好きだったんだ。
変態染みたこと言われても、その場では嫌がっても、本気で拒んだことなんてなかった。
他の子に言えば良いでしょ、なんていいながら、そんなことされたら、きっと私は怒ってた。
いつの間にか、それだけ蔵ノ介のこと、好きになってたんだ。










「蔵ノ介に恋なんてするわけないと思ってたのにな…」

あの後、蔵ノ介は嬉しそうに笑ってそのまま抱きついてきた。
今は体勢を変えて、私は蔵ノ介が胡坐をかいた上に座っている。

「えー、俺はずっと好きやったで?」

「だったらあんなこと言わなれば良いのに」

「やって、それとこれとは話が別やもん」

口を尖らせながらきつく抱きしめてくる蔵ノ介を不覚ながら可愛いと思ってしまった。
どうしよう、末期かもしれない。

「なあ、いっそ抱かせて」

またも耳元に唇を寄せて低く囁いてきた。
もう、どうとでもすればいい。

「……好きにして」

なんて言ってしまった私は、本格的に末期だと思う。

―――変態な幼馴染

君の思うようにすればいい。





変態な白石君が好きです。
末期なのは私だと思う。

突発的にかいたものなのでいつも以上にgdgdしてますね。



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