壊した光


「総司、ご飯だよ」


そう言って笑顔で入ってくるなまえ。
僕はあとどのくらいこの笑顔を見られるのだろうか。
きっと残された時間は少ない。


僕が死んだらこの子はどうなる?
一人で孤独に生きていくのだろうか?
誰かほかの男のものになってしまうのだろうか?


どれも嫌だ。
なまえは僕のだ。僕から離れるなんて許さない。


「総司?ご飯だよ?」
「うん…。…ねぇなまえ。」
「何?」
「僕のこと好き?」
「?…うん、好きだけどどうしたの?」
「ちょっと確認したくてね」


そう言ってなまえを抱き寄せた。
こんな小さな身体に悲しみを背負わせるなんてできない。
ほかの男が触れるのだって許さない。



枕元にある刀を鞘から抜いた。
久しぶりに持った刀は重たかった。


ザクッッ!!


なまえの腹を刺した。
なまえは驚いた顔をして倒れこんだ。


「そ…うじ…?」
「だって僕が死んだら萌は一人になるんだ。ほかの男に渡したくないし悲しみを背負わせたくない!」


僕が言い切るとなまえは幸せそうにでも少し悲しそうに微笑んで死んだ。


「待っていて、なまえ。今僕も行くから。」


刀を腹に当てると思いっきり引き裂いた。
これで僕となまえは永遠に一緒にいられる…。
なまえは永遠に僕のもの。
震える手でなまえの手を握りしめた。


そして暗闇に堕ちていった。




 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -