野獣の飼い馴らし方 静かな路地裏に、骨の軋む音が響く。だが骨の軋む鈍い音は男の悲鳴で掻き消され、そんな男の周りには指一つ動かすことができない男達が倒れていた。意識がない者も大勢いるが、中には意識がある者もいる。彼らは何をするでなく、ただ恐怖で奥歯をガチガチと鳴らしながら事の成り行きを見守っていた。動きたいのに動けない。動いたら殺されると本能が告げているのだ。 また一人の悲鳴が消えた。どうやら気絶したらしい。正直なところ気絶できた男達が羨ましい。意識がある者達は揃ってこう思っていた。彼らは今まで知らなかったのだ。この世には絶対的な力の差があるということを。 物言わぬ屍と化した男達の中心には、一人の男が飄々とした面持ちで立っていた。この男は今まで相手にしてきた相手とは全く違っていた。自分達のような不良ではない、何か別の存在。これほど大勢に囲まれても動じることなく、それどころか薄っすらと笑みさえ浮かべていた。 獣のような瞳、歪んだ唇―――その時点でこの男は普通ではないと気づくべきだったのだと後悔してももう遅い。もっと遡れば、どうしてこんな男にケンカを売ったのだろうとさえ思うほどだ。いつもみたいに気に入らない奴にケンカを売って、ボコボコにするだけのはずだったのに、どうして今回はいつもと違うんだろう。 しばらくもしないうちに、仲間の最後の一人の悲鳴が消えた。うつ伏せに倒れた仲間の背中を、男の足が無残に踏みつける。しかし背中を踏まれている仲間は声一つあげなかった。どうやら彼も気絶している様子だ。 「Ha! この程度の力でこのオレにケンカを売りやがるなんて、命知らずな連中だぜ」 まるで勝利を宣言せんと、その男は高らかに声を発した。自分達は身体中に怪我を負っているのに、その男だけは無傷でそこにいる。数ではこちらが圧倒していたのに、どうして自分達だけが怪我をしているのかわからない。反論一つすら返せない自分達に満足したのか、男は堂々と背中を向けて路地裏を後にした。 「くっそー……覚えていやがれっ! このままで済むと思うなよ……」 *** 「伊達ー。伊達は今日も遅刻かー?」 教壇の上に立つ先生の間延びした点呼に返事する者はいない。呼ばれた当の本人がこの教室にいないのが原因だ。政宗がいなくても誰も気にしない。だって今日の一限目は英語。英語の授業は政宗にとってサボリの時間同様なのである。かといって自宅でのんびりしているはずもない。政宗の屋敷には小十郎がいるからだ。彼がいる限りサボリなど許されるはずがない。きっとどこかその辺でフラフラしているに違いないはずだ。 まだ空いているお店は少ないから、コンビニやファーストフード店で時間を潰していると思う。いいご身分だね全く! 一限目が終わったあとの休み時間中に政宗は現れた。悪びれた様子は微塵も感じさせない。サボるのが当たり前って顔に見えてくるよ。 「さっすが社長。遅刻しても悪びれた様子はナシですか」 「誰が社長だよ……今日はいきなり突っかかるな」 政宗の少し困惑した表情に、私はおもいっきり頬を膨らませる。 「別にィ。ただ英語の授業で先生に「伊達の代わりに音城至、ここ訳してみろ」って言われて、頭が真っ白になった挙句答えられなかっただけだもん」 「要はオレのせいでセンコーに当てられたって言いたいわけだな。そんなもん答えられなかった華那が悪ィに決まってんだろうが」 政宗に呆れた視線を向けられ、私の膨れっ面は更に膨れ上がった。どうせ腹の中ではこの程度の英語すら訳せないことを笑っているんでしょ。恨みがましい目つきで政宗を睨んでいたら、彼の制服が汚れていることにふと気づいた。それも一箇所ではない所々、薄っすらとだが確かに汚れている。高校生にもなって土遊び? ……な、わけない。 「政宗、アンタまたケンカした……?」 政宗の眉がピクリと動いたのを見逃さなかった。 「やっぱり! 相変わらずお盛んだねえ……」 「煩ェよ。あっちからケンカを売ってきたんだ、オレ自身がケンカを売ったわけじゃねえ。売られたケンカは利子をたっぷりとつけて返すっつーのが男としての礼儀ってモンだろ?」 まァたしかに? 女の私だって売られたケンカはついつい買っちゃう傾向にあるけどさ。でも政宗みたいに頻繁にケンカ売られないもん。政宗みたいに不良に絡まれることもない。 政宗は歩いているだけでよく不良に絡まれることが多かった。不良達は決まって「目つきが気に入らない」と言ってケンカを売ってくる。律儀な彼は売られたケンカにたーっぷりとお礼しちゃって、毎回不良達をこてんぱんにしてしまうのだ。不良達は大抵複数でやってくる。対する政宗は一人。自分達が負けるはずないと高を括っている不良達は、たった一人相手に負けたと、肉体だけでなく精神もこてんぱんにされてしまうのだった。 「政宗も少しは手加減してあげればいいのに……」 「手加減はしてるぜ? ただそいつらがオレの予想より弱すぎるだけだ」 街の不良達は所詮お山の大将みたいなものだ。自分達が一番強いと思い込んでいるだけにすぎない。政宗のような「ホンモノ」からすれば、彼らがやっていることは子供のお遊びのように見えているのかもしれない。じゃあ最初からケンカなんか売るなってことだけど、政宗がまさかあの伊達組の筆頭なんて考えもしないだろうしね……。不良達がイチャモンつける前に名前を訊くなんてするはずないし。名前を聞いたら伊達組に関係ある人間かもって思うかもしれないのにね。でもケンカの前に名前を訊く不良っていうのもなんかヤダ。マヌケすぎるじゃん。 「そういや華那、今日の約束忘れてねえだろうな?」 「放課後買い物に付き合ってって頼んだこと? 忘れるわけないじゃない、私が政宗に頼んだことなのに。それに……」 政宗との久しぶりのデートなんだよ、嬉しすぎて今から興奮しているんだから。と、言いかけてやめた。だって急に恥ずかしく思えてきたんだもん。なによりこんなことを言うなんて柄じゃない。政宗とのデートは何もこれが初めてというわけじゃない。もう何回もデートしているし、お互いの家にだってよく遊びに行っている。けどやっぱり好きな人とのデートというものは、いつになっても嬉しいものだ。 「それに、なんだよ?」 「んーん、なんでもない。ほら政宗、もうすぐ次の授業始まっちゃうよ!」 放課後には政宗とデートできる。そう思えば普段は退屈な授業も少しは退屈じゃなくなった。早く放課後にならないかなーと、授業中はずっとそのことだけを考えて過ごしていた。政宗とのデートに心を躍らせていたのである。―――このときまでは。 *** 「よォ、今朝はどーも」 「……………政宗サン政宗サン、この怖い人達はアナタのお友達でしょうか?」 「No こんなブサイクな面した連中なんざオレの知り合いにはいねーよ」 いざ放課後デートに出陣じゃ! ……って意気込んだのも束の間、しばらくもしないうちに、私と政宗は五人の怖そうな人達に取り囲まれていた。五人の共通点はみんな身体中に怪我があることである。顔面なんかあれだ、見ているだけで痛みがこっちにまで伝わってきそうなくらいだった。ひえー、痛々しい……。酷い人だと腕に包帯を巻いていた。女である私としてはこういう場合悲鳴をあげるか、お巡りさんを呼ぶかするべきなんだろう。でも運のないことにこの時間帯、この道の人通りは皆無に等しい。近くに交番もない。つまり助けを呼ぶのは難しい場所に私達はいるということだ。 「An? 誰だテメーら?」 「おいおい、俺らのこともう忘れちゃったの? 今朝のお礼をしようとわざわざ来てやったっつーのによォ!」 政宗は本当に覚えていないのか、鬱陶しいといわんばかりに露骨に眉を顰めた。そんな彼の態度に腹を立てたのか、不良達の声が更に荒くなる。普通の人なら既に逃げ出したい気持ちになるだろう。私だって逃げ出したいさ。 「今朝のお礼……って政宗、この人達って今朝アンタがボッコボコにしたっていう不良さん達じゃないの?」 「Ah そういやそんなこともあったな」 どうやら本気で覚えていなかったようだ。 「で、今度は何の用だ? またオレと勝負がしてえっつーならpassするぜ。オレはこれからこいつとdateなんだ。テメーらに構ってやる暇はないんでね」 「それがそうもいかねえんだよ。俺らもやられっぱなしっつーのは嫌だからよォ……」 「―――きゃあ!?」 「……華那!?」 政宗と不良達の成り行きを静かに見守っていた私の背後から、見知らぬ男の腕がにゅっと伸びてきたと思うと、あっという間に羽交い絞めされてしまい身動きすることができなくなってしまった。私を羽交い絞めにしている男の顔をチラッと窺うと、彼はニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべていた。自分達が優位にあると確信した笑みである。 現に政宗は指一つ動かすことができずにいた。指一つでも動かせば私に危害を加えると、不良達が無言の圧力をかけているからだ。さっきまでの余裕は失われ、政宗は悔しそうに唇を噛み締める。 「可愛いその子の顔に傷なんかつけたくないだろ? だったらどうすりゃいいか、わかってんだろうな……?」 ……え、可愛い? その子って私のことだよね? 私が、可愛い……? 「Shit……って華那、なんでンな顔してるんだ?」 「え、いま私どんな顔してる!?」 「なんかスッゲー嬉しそうな顔してるぞ……」 政宗がすごくげんなりとした表情を浮かべた。あれれ、さっきまでのあの緊張が走るシリアス顔はどこへ行ったのやら。自覚はないけど、私そんなに嬉しそうな顔しちゃってる? こんな状況だけど、可愛いと言われて喜ばない女の子はいないよね。特に普段そういうことを言われない女の子だと嬉しさも多きんだ。いや、こんな状況だと喜べない……喜んでいる余裕なんてない? じゃあ可愛いと言われて喜んでいる私は余裕ってことになるぞ。女としてそれはどうだ。 「さーて、どうする? その子を傷つけたくなきゃ、大人しくしてくれねえかなァ?」 リーダー格の不良がそう言うなり私を拘束していた男は、何故か急に羽交い絞めを解き始めたではないか。しかし解放されたというわけではなく、今度は左腕一本で私の首を押さえつける。空いた右手にはなんとポケットから取り出したと思われるナイフが握られており、その鋭い切っ先を私の喉元に突きつけた。私は少しでもナイフから喉元を遠ざけようと反射的に首を動かそうと試みる。が、男の腕が邪魔をして思うように動かせなかった。 「……大人しくしろ、だと? Ha! 冗談じゃねえな」 「…………なんだと!?」 まさか政宗がこう言うとは思ってもいなかったのか、リーダー格の男が怒鳴り声をあげた。実は私も驚いている。こういう場合人質(私のことね)の身を案じて、大人しくなるっていうのがよくあるパターンじゃないの!? で、政宗は不良達にボコボコにされ、私はそんな彼の身を案じて涙を流す……。漫画やドラマでよくあるよね、そういう展開。それなのにいまの政宗は、不敵な笑みを、獰猛な肉食獣のような笑みを浮かべていた。その隻眼にはまるで狂気に似た何かが宿っているかのようだ。尋常ではない政宗の様子に、ここにいる全員に戦慄が走る。 「なっ……この女がどうなってもいいのか!?」 私を拘束している男が、やや震えた声で政宗に叫ぶ。見せつけるかのように、私の喉元に突きつけられていたナイフを更に近づけてきた。妙に腕に力が入ったらしく、私の首を絞める力も自然と強まる。ちょ、ちょっと苦しくなってきた。 「華那に何かしてみろ……そのときは今朝みたいに五体満足じゃすまねえぞ」 「………ヒッ!?」 こんな声知らない。政宗のこんな声、私は知らない。どこからそんな声を出しているのか不思議に思えるほど、低い声。身体の奥が政宗の声に震え、拒絶する。声だけじゃない。政宗の鋭い眼光が私の背後にいる男をいとも簡単に射抜いた。普段決して見ることはない、私が知らない表情をしている。 ああ、きっとその顔が伊達組筆頭としての政宗の表情なんだ……。仲間を守るために戦う、みんなのリーダーの顔なんだね。とても堂々としていて、微塵の動揺も感じさせない。ただ敵を睨みつけているだけなのに、睨まれただけで身体は震え、足は竦んだ。空気がビリビリと痛く感じる。 「華那はこのオレでさえ手を焼くじゃじゃ馬だぜ。お前如きがどうにかできる相手じゃねえんだよ」 「じゃ、じゃじゃ馬ってどういう意味よ!」 「言葉通りの意味だ。……守られるだけが女じゃねえ、そう言ったのは誰だった?」 政宗の諭すような言葉が胸に沁みる。言ったのは誰かですって? 忘れるはずがないじゃない………他ならぬ私よ。そうよね、守られているばっかりは情けなくなるから私は嫌だ。いま私がしなくちゃいけないことはなんだ。考えろ、必死になって考えろ。 私がこいつに捕まっているせいで政宗が自由に動けないのなら、私が逃げればいいだけの話じゃない。幸いこいつは政宗に睨まれ少し戦意喪失気味である。今朝の仕返しが目的なら、彼は全員政宗の強さを目の当たりにしているということになるはずだ。一度政宗に負けた相手に臆することなんてない! 「うりゃあッ!」 私はこの世に生きる全男性共通の急所目掛けて、渾身の力をこめて右足を蹴り上げた。自分でもいい当たりだなって思うヒットである。刹那、男は手に持っていたナイフを落とし私を捕まえていた腕も放すと、悲鳴を上げながら股間を押さえた。その隙に私は男の傍から離れ、政宗の隣に並ぶ。 「……意外とえげつないことやるな、華那」 政宗や残りの不良達も少し引いている様子だ。表情が強張ったままヒクヒクしている。でもあの痛みは女には理解できないし、実際のところそんなに痛いの? って逆に訊いてみたいくらいなのだ。政宗の不敵な笑みにつられて、私もニヤリと怪しく笑う。なんでだろうね、政宗の隣にいると怖くなくなるんだ。私まで強くなったような気にさせてくれる。 「……すっごく楽しみにしていたデートを潰した怨みは恐ろしいんだからね!」 「そんなに楽しみにしてたのか?」 「そりゃあ、久しぶりのデートですから。楽しみに決まってますヨ」 「Ha! 違いねえ!」 「……な、なんなんだこの女!?」 指をバキバキ鳴らしながら、私と政宗は改めて不良達に向き直る。不良達は少し腰が引けていた。政宗の実力は知っているとして、私までもがケンカに参戦してくるとは予想していなかったらしい。残念、私は守られているだけの女じゃないのだよ! 小さい頃から元ヤンだった両親からケンカのやり方は教わっていたから、ケンカすること自体にあまり抵抗がない。このままでは拙いと踏んだのか、不良達は先手必勝といわんばかりにこっちへ向かってきた。 「音城至家家訓そのいち。やられたら―――やりかえせ!」 言うが早いか、私は不良の一人のお腹にキックを食らわせた。政宗ほどの力はないのでさほど吹っ飛ばなかったが、それでもそいつは後方へ吹っ飛び仰向けに倒れこんだ。政宗みたいに一撃一撃が重いわけではないので、そいつはお腹を押さえながらゆっくりと起き上がる。やはりそのまま伸びてはくれなかったか。政宗だったら一撃で気絶させちゃうんだろうな。 「こ、このアマァァアアア!」 「音城至家家訓そのに。お返しはお礼をつけてたっぷりと!」 急所を蹴られた痛みが治まったのか、私にナイフを突きつけていた不良が強烈なストレートパンチを食らわせようとしてきた。だがケンカのやり方を習った私には、それくらい攻撃を避けることは造作もない。パンチをあっさりと避けると、そいつの背後に回り足払いをかける。すると面白いくらい見事にそいつは引っくり返った。そうやって私が遊んでいた間に政宗は五人中四人も沈ませたようで、私の後ろには屍と化した不良達が寝っ転がっている。い、いつの間に!? 政宗は活き活きとした表情を浮かべながら物言わぬ不良達の姿を見、満足そうに笑みを浮かべている。ふと空を見上げると今にも太陽が沈みかけていて、オレンジ色の柔らかい光が政宗を照らしていた。 *** 「あーあ……折角のデートがぁ……」 結局デートはまた今度ということになり、私達は真っ直ぐ岐路についていた。今日のデートを私がどれだけ楽しみにしていたことか……。本当なら今頃、どこにでもいる幸せカップルの予定だったのにィ。それもこれもあの不良達のせいだ。そう考えるともっと痛めつけておけばよかったと思えてくる。 「政宗と付き合うとろくなことが起きないよね、ほんと」 「今回はオレのせいじゃねえだろうが」 「政宗のせいだよ。政宗が今朝の時点でもっと徹底的に潰してさえくれていたら……」 「……いま何気に恐ろしいこと言わなかったか?」 だってそうじゃない。今朝ケンカしたときあいつらを再起不能にまで追い込んでいたら、こうやって仕返しされることなく放課後デートを満喫していたかもしれないんだもん。あいつらの仕返ししてやろうという気さえ削がれるほど、徹底的に痛めつけていたらどうなっていたのか……! それもこれも政宗が手加減して中途半端にしちゃったのが悪いに違いない。 「今朝はもっと手加減してやれとかぬかしてやがったくせに……」 「そのときはそう思っていたかもしれないけど、今はそうは思わない!」 真っ直ぐ前を見ている政宗の横顔を盗み見すると、私が知っているいつもの彼だった。私が捕まってしまったときに見せた表情の面影は微塵も感じさせない。華那に何かしてみろ……そのときは今朝みたいに五体満足じゃすまねえぞ。そういえばさっきは考える余裕なんてなかったけれど、あの言葉って結構胸にくるよなあ。ちょっと本気っぽかったし、なによりそう言ったときの政宗、すっごくかっこよかったし。私のためにあんなこと言ってくれたんだよね? う、自惚れてもいいよね……? 「……なんだよ急にニヤニヤして……気色悪ィ」 「えへへ、愛されているなーと思いまして」 私の言いたいことがわからず、政宗はますます不思議そうに目を細める。そんな彼の腕に自分の腕を絡め、ピタッと引っ付いた。突然のことに政宗は柄にもなく頬が赤くなる。 「なんだかんだ言いつつも私を守ってくれたから嬉しくってさ」 途中で私も参戦しちゃったから、いまいちよくわからない終わり方だったけど、あの不良達を倒したのはほとんど政宗である。経緯はどうあれ助けてくれたことには違いない。政宗と付き合えば今日のことがまた起こる可能性は非常に高い。でも不思議と、政宗がいれば大丈夫なように思えてくるんだ。 守られるだけは嫌い。別に守ってくれなくてもいい。だって政宗が傍にいてくれるだけで、なんだってできるような気にさせてくれるもの。カラダだけじゃない、ココロも守ってくれているんだね。 「守ってくれてありがとう、政宗!」 「Ha! 華那のようなじゃじゃ馬を守れるのはオレくらいなモンだからな! 仕方がねえから、これからもずっと守ってやるよ」 完 ← |