頂き物(小説) | ナノ

高宮明さまから

「ね、総悟・・・本当にいいの?」
「今更ですぜ。腹括りなせぇ」

真選組屯所内のある部屋で、一番隊隊長の沖田と隊士の華那が話しをしていた

沖田はニヤニヤしているが、華那は若干顔が青ざめてる

その時だった

「誰だァァァア!こんな事をやったのはァァァァァア!!」
「ひぃ〜!!」
「ほぅら。鬼が来なすった」

ドタドタと足音が聞こえ、2人がいる部屋でその音は止まり、戸が開いた。開けた人物は副長の土方十四郎である

「総悟、華那・・・・お前らか?」
「何ですかぃ?」
「・・・・・」
「絶対にお前らだろ?俺のマヨネーズを生クリームに変えたのは!!」
「何の事かさっぱりでさぁ」
「・・・・総悟ぉ・・・」

そう、この2人は土方の愛用マヨを生クリームに変えたのだ

「土方さん。今回は俺じゃないですぜ?」
「はぁ?」
「ちょ、総悟!?」
「華那でさぁ」
「・・・・華那・・・」
「え、ちょ、・・・ごめんなさぁぁぁぁい!」
「待てやコラァァァァァァァア!!」

と、2人の追いかけっこが始まった

「・・・後はお二方次第ですぜ?」

こう沖田が呟いたとも知らずに

一方、華那は簡単に土方に捕まってしまい、土方の私室で説教をされていた

「・・・何であんな事した」
「いや、その・・・・総悟に相談したら、あんな事になって・・」
「・・・・俺を抹殺する相談か!?」
「違いますよ。総悟じゃあるまいし!!」
「だったら何だ。上司である俺にも言えねぇ事か?」
「いや・・・局長なら言えますけど、副長だけにはちょっと・・・」
「んだよ、それ。・・・よし、副長命令だ。言え」
「え、理不尽じゃないですか!?」
「言え。言わきゃ減給な」
「・・・・・」
「ほら、言えよ」

華那は黙ったまま。土方も黙って華那を見ていた

数分が経ち、土方はとうとう痺れを切らし、口を開こうとしたら

「好きなんですよ!!」
「・・・・ハァ?」

思わず土方は煙草を落としてしまった

「お前、今何て言った?」
「あー言いますよ。言えばいいんでしょ!?副長が好きで総悟にどうしたらいいって相談したら、まずは気を引けって言われて総悟が手を貸してくれて、そしたらマヨを生クリームに変えられて今に至るってわけです。これでいいですか!?」
「・・・・・」

華那は顔が真っ赤で、目には涙を貯めていて、土方はと言うと未だに呆けてはいるが顔が真っ赤であった

「お前、ちょ・・」
「副長が、土方さんが好きなんだもん・・・うわぁ〜ん!!」
「な、泣くな!!」

泣きだした華那を土方は抱きしめ、耳元でこう言った

「俺も・・好き、だ。だから・・・泣くな」
「うー・・ヒック・・私も、大好き・・です」
「分かった分かった」

だって好きなんだもん
(もう悪戯はするなよ?)
(しませんよ。もう想いは伝えましたから!)
(・・・っ・・//)