青空の下で | ナノ



「あっ、あのさあのさ!」
「どうしたの」
「・・・お前ってば・・・・何で、何でこんなに・・・・俺に優しいんだってばよ・・・?」

まだネガティブが入っているナルトの頭をぽんと叩いた。

「・・・・困ってる子・・・・助けるのに、理由がいるの・・・?」

ナルト程じゃない、この子に比べたら私の経験なんてとても小さいもの。
でも、苦しんでることは同じだったから。
ナルトを助けることで。私も救われる気がしたんだ・・・・。

「・・・・お前、すんげー変わった奴だってば!」
「よく・・・言われる・・・・」

照れくさそうに笑うナルト。
ちょっとの沈黙の間、彼は言う。

「・・・あ、あのさ・・・お前・・・・・名前何てーの?」

あ、そう言えば自己紹介もまだだった。

「・・・奈良、ロク・・・・。奈良一族の者だよ・・・」
「ロク!じゃあさ、じゃあさ、あのっ!」

風の中に、ナルトの小さな声が混じった。



―俺と、友達になってほしいってばよ



その言葉が出た時、少し安心した。
この子も、この子なりに繋がりを欲しがっているんだと。
里の反応に負けずに、諦めることなく純粋なままで・・・・・。
安堵したと同時に、頬が緩んだ。

「何、言ってるの・・・」

こつん、と小さくおでこを小突いた。

「もう・・・・友達だよ・・・・?」

ナルトは目を見開いて、ずっとその中に私を映している。

「あ・・・・・ありがと、だってば・・・!!」
「こっちこそ・・・・これから、よろしくね・・・・ナルト」



ぎゅっと二人で握手をした。








「よし・・・このままさぼり・・・・続けよう。か」
「あ、ああ!」
「・・ねぇ、さっきのあの・・・・お色気の術、だっけ。あれ・・変化の術の応用、でしょ?
くのいちクラスはまだ、術の勉強してないから・・・・・よかったら、私に教えてくれないかな・・・・。
私、まだ、術とか印とか・・・・よく分からないから・・・」
「おう、おやすいごようだってばよ!」











その日から、
狐の子の隣には一人の女の子の姿が、いつも寄り添うように在った。


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