「ねぇ、お兄ちゃん!ねぇってば!!」
「あー、うっせぇぞ早く寝ろ!」
「寝れるわけないじゃない!どうしてあんなこと言っちゃったのよ!!」
「・・・・向こうの世界に帰ることは本当のことだろ」

こんな・・・本の中でなんて生きられるはずはない。

「それとも・・・帰りたくない理由でもあんのか?」
「!そ、そんなの・・・・」

すぐ黙ってしまった美朱。・・・・もう、聞かずともその態度で分かる。
美朱・・・・・お前は・・・・・。

「・・・鬼宿のことが・・・好き、なんだろ・・・・」
「え・・・・」
「見てりゃ分かるよ・・・兄貴なめんなよ?だけどな、美朱・・・・そんな気持ち持ってるだけ無駄だ」
「そんな・・・・」
「次に新しい仲間が来ても・・・必要以上に仲良くなんなよ。別れがつらくなるだけだからな」



お前が幸せになれるんだったら、兄ちゃん何でもしてやる。
だけどな・・・・あいつらは、お前のこと幸せにしてやれない。
お前はたった一人の家族なんだ。
本の中の人間になんて渡してやるものか。
・・・・・お前に嫌われたっていい。
ただ、お前を守れれば、それで・・・・・。
美朱の寝顔を見ながら・・・・紅蓮は思い出していた。



『兄ちゃんが、お前のこと守ってやるから』



幼い日にした、あの誓いを――――



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