『あなたの名前はね、カルマ・・・よ』
カルマ、と
そう呼んでくれた、
俺の本当の名を知る人はこんなにも早くに命を散らした。
女でひとつで俺を守ってくれた人、だった。
「カンクロウ、」
エビゾウ爺の声が後ろでした。
「・・わかってるじゃん。でもさ、もうちょいだけ」
母さんの埋葬された墓の傍から一歩も動けずに。
先に帰ってて、と声を出す。
聞こえるように言った筈なのに、
自分でも声が震えて霞んでいることに気がついて余計に悲しくなった。
大切な、人だったんだと改めて感じた。
(会いたい)
こんな時だからこそ、
自分と血を分けた姉弟と、
寂しさをまぎらわしたく思って、俺は夜叉丸の元へと向かった。
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