「本当によかったんかー、もうちょっと遊ばんでも」
「いいじゃん!くぐつのよさもわかんねえあねきとははなしたくねー!」
「・・・どっちもどっちじゃのうこりゃ」

ぷんぷんと頬をふくらます子に、行きとは逆に手を引っ張られながらエビゾウは笑った。
何にせよ、元気でなによりな姉弟だ。

「まあ、お前も外出解禁令が出たことだし。これからは姉弟に会える日も増えるだろうなあ」
「・・・いきなりいわれてもびっくりするじゃんよー・・」

金髪、赤髪、茶髪、言っちゃなんだが姉弟という自覚はまだあまり感じられない・・。
おそらく、前世の記憶もあるせいだとは思うけれど。
母さんが死んで、新しい家族が増えた。
またまた慣れないことも増えてしまったけれど・・俺達は、家族だったんだ。



『お姉ちゃん、今日もバイト遅くなる?なるべく早く帰ってきてね!』



(思い出せたのは、あの子らのお陰かもしんないのよな)

ごめん、ごめん。
妹は、もうここにいないことなんて知ってる。
何より、死んだ自分が十中八九悪いのだから、我侭なんか言わないけれど。
結局あの子にも何も言えず俺はこっちの世界にきてしまった。
あの二人を、
あんたの生まれ変わりと思って、大切にするよ。約束する。
姉ちゃんは、今は兄ちゃんだけどな。

(もっとがんばらなきゃ、な)

「カンクロウ」
「なんじゃん?」
「姉弟でも、お前の秘密はうかつにばらしてはならんぞ、わかっとるよな?」
「へーへー、りょうかいしてるっての!」

母さんのように、俺も二人を守れたら。
そう思いながら、俺は帰路をたどった・・。
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