「だ・か・ら!!!正体現すの嫌だったんだよ!!」



数日後。
ううう、とうなだれるロクとまあまあと慰めるヒナタの姿が火影室から出てきた。
手には、綱手直筆の上忍推薦状。

「あああー・・せっかく皆からも嫌われず、ナルトからは修業してほしいってば!ってお願いされてハッピーエンドかと思ったのにいいい」
「うん、十分予想できたことだよね。
あんなにおおっぴらに正体ばらしちゃったら、流石に綱手様も中忍でいさせてくれないし、何より今人材が足りないし」
「そりゃそうだけどさ、ヒナタ。下忍のが気楽だったよ、任務も一緒に出来たし、近くにいられるし」
「でも、後悔はないんでしょ?」
「・・ま、それもそうだけどさ」

彼が、彼女達が、
私達を受け入れてくれて涙までしたことは事実。
良い仲間に恵まれた、幸せだ、と心から思っていた。

「・・でもやっぱり面倒くさいな。里外任務出るくらいならやっぱ中忍としてデスクワークしてたほうが楽っちゃ楽・・・」

はあ、とため息したものの、その表情はどこか嬉しそうで。

「・・・・まあ、隠し通してぎくしゃくするよりも、何倍も得してるよね」
「うん」






「上忍試験の課題ってなんだっけ」
「上忍の人との戦闘だったと思うよ」
「うええ・・・カカシ先生とかアスマ先生とかガイ先生にあたりたくないよ・・私体術苦手だもの、抜刀する間に一撃きたらこわい・・」
「紅先生も、幻術がすごいもの。近寄らないでやられちゃうかも・・」
「うわあ、幸先恐ろしい」





歩く二人の背は、新たな日常に臆する必要もなく、
陽に照らされた横顔は朗らかだった。



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