俺達猪鹿蝶もこの試験受けさせられたっけなぁ。
あんときゃ、すぐに俺が感づいて最初っからチームワーク全開、
見せ付けて上忍からお墨付きいただいたもんだ。
「おらあああ!!もっかい勝負しやがれこん畜生!!」
(・・・・今年は不作の可能性高いな・・・)
さっきご丁寧にもヒントやっただろうが!
目の前には悪ガキ一人、先ほどと変わらない姿勢で突っ込んできた。
はあ、とため息ひとつ。
(この試験の本当に意味も分かんねえ奴には落ちてもらうしかねえんだよ)
めんどくせえが、里の将来にも繋がることなんでね。
ぱし、とまっすぐすぎる拳を軽く受け流し、投げる。
「今度はそいつだけじゃねえぜ、上忍さんよ!」
「!」
急に増えた気配、
右に一つ、左に一つ。
・・・なるほど、挟み撃ちね。
((瞬身!))
ちっ、とナガレは舌打ちをし、消えた方向へと向き直る。
「なかなか気配消すのがうまいな」
「・・・こいつ、また一人で出てきた時、多少なりとも油断しただろ?」
「へぇ、お前は結構頭はいいみてえだな」
ロウゼキの好戦的な性格を生かしての特攻で少しの間油断させるのが目的だったわけだ。
鈴を取らずに最短で終わらす作戦を考えつきやがったのか、なかなか切れる奴が班に来たな。
(こいつら・・)
「へへ、本当の意味が分かれば簡単なことだろ?
あんたと俺達はこれ以上戦う必要はないってわけだ」
その通り。
「え!?そうなの!?」
「・・・・・・・お前説明聞いてろって何度も何度も・・・・!!」
・・本能を利用したにすぎない、のな・・。
だがしかし、まとめ役としては十分だ。
「・・よく答えにたどりついたな、まずは褒めてやるよ」
この試験の本当の意味、
それはチームワークを確かめるもの。
まずはそう言うと、分かっていたよ、とでも言うような誇らしげな三人の表情が見えた。
つまり、チームワークを見せ付けてやれば、この試験の意味に答えられたということ。
「合格だ」
面倒くせえ試験は、ここいらでお終いにするとしましょうか。
あんたと俺達!
(そう言ってやるとアイツが一番嬉しそうな顔しやがった)
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