「あんたいつもバーン様に迷惑かけてんじゃないわよ」


このオシャレを気取ったバンダナをつけたもじゃもじゃな髪の男、ネッパーはいつも私の世界一敬愛する大好きなバーン様にノミみたいにいちいちくっついてまわる。バーン様、バーン様って見ているこっちがうっとうしい。こいつはバーン様がめんどくさそうな表情してんのがわかってない。この鈍感男。女心なんてサッカーより簡単に決まってるだろ、なんて前にヘラヘラして笑ってたけど、こいつは女心のかけらも理解してない。女心ってのは樹海よりも深くて硝子細工みたいに繊細なんだよ。あんたが女心理解したってのは炎で樹海を焼き尽くして焼け跡から傷ついた女心を拾い出してみみっちく調べるようなもんでしょ。だいーぶ前に自分で認めるのも思い出すのもすごい嫌だけどこいつのことが好きで、いろいろアプローチしてみたり、髪型をちょっと意識したりしたのにこいつは全く気づいてなかった。ひでぇ寝癖!そのぐらい直せよ、って腹が崩壊するほど笑い飛ばしやがって。樹海全焼。硝子細工は木っ端微塵。あーむかつく。ちょっとドキっとした素振りくらい見せろよバカ。なんでこんなやつのこと好きだったんだろ。こいつと自分を殴りたい。




「迷惑かけてんのはそっちだろ。少しぐらい役に立つことしろ、このノロマ」



目の前にいるまるで胸に鉄壁が張りついてるような色気なし女、なまえは世界で一番強く、そして尊敬しているバーン様にべったりくっついている。私はバーン様専属補佐だとかほざくけどどうせ自称だろ。1日一回はどっかに躓いて顔面セーフするどんくさいやろうが補佐だって?寝言は寝ていえ。この馬鹿女。前に男心なんてサッカーより簡単だとかヘラヘラしてやがったけど、こいつはかけらも男心を理解してねえ。男心ってのはな、太陽みたく広大でただ熱いだけじゃねえ。真珠みたいに純粋で、雲母みたく壊れやすいんだよ。こいつの場合は男心わかるったって穢れのない大事な真珠玉を踏み潰して粉々にしたあと、炎の中に放り込ん出てきた燃えカスをつっつくようなもんだろ。だいーぶ前に思い出すのも嫌だけど不覚にもこいつに一目惚れした俺は恥ずかしい思いをこらえて不敗のアプローチが乗った本を手に入れて、それ通りに仕掛けたのにこいつは振り向きもしなかった。なにそれ、って鼻で笑いやがった。オレの中の傷ひとつない真珠を粉々に踏み潰しやがって。きれいに真珠は塵になったよクソ。だからいつまで経っても女として認められねえんだよ。あーなんでこいつに一目惚れしたんだ。自分とこいつを殴りてえ。





「お前ら、そんなところで油売ってないで練習するぞ」
「「はい!バーン様!」」



あわせん(なっつーの)(じゃねーよ)






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -